研究裏話

 

 このページでは,これまでの研究生活の中で起きた楽しい,危険な,変わった体験などを紹介します.堅苦しいホームページですので,ここではゆっくり コーヒーブレイクを楽しんで下さい.ご意見などありましたらこちらまでお願いいたします.

★タクリマカン沙漠腹痛事件
 2000年に中国タクリマカン沙漠へ行ったときのこと,20日間という長丁場で,終盤になってだいぶ疲れがたまってきていたのです.地元の研究者の方たちとさよならパーティーをし たのですが,どうも体の具合がおかしいのです.そのうちどんどん具合が悪くなり,2度トイレに駆け込みました.いままで経験したことのない,気持ち悪さと体のだるさが襲ってきました.仕方なく,途中で失礼させて頂き,部屋で寝ていましたが,今度は異が痛くなってきました.それはだんだん激痛に代わり,歩けないほどになってきました.下痢,嘔吐もひどくなり,タクラマカンにこのまま骨を埋めるのか...と思い 込むほどです.仕方なくやっとの事で電話まで這っていき,同行の先生に連絡しました.先生は薬を持って飛んできてくれましたが,不思議なことに抗生物質を飲んだとたんにうそのように痛みは引いていきました.この時ほど,日本から遠く離れた地で死への恐怖を感じたことはありません.やっと人心地着いたので,眠ることにしました.次の日はまだ暗い内に目が覚めました.やがて,東の空が白み始め日の出を迎えました.そのなんと美しいことか.生き返ったという思いが改めて,こみ上げてきました.
 ところで,あの腹痛は何だったのでしょうか.長旅の疲れと緊張が,タダでさえ胃腸の弱い私の体が悲鳴を上げたのでしょうか...

★タクリマカン沙漠のビール人間
 私は,ビールが三度の飯よりも好きなタイプです.実際,夜はほとんどご飯は食べません.ビールとおつまみだけで過ごすことが多いのです.そんな私が,沙漠で20日間も生活できるのか,と不安に思っていましたが,どうということはありません.オアシス都市のどこへいっても ,冷たいビールと美味この上ないシシカバブーが出迎えてくれました.私は,毎晩何食べたいと案内の人に聞かれるたびに,ピチュー(ポケモンではない,地元の言葉でビールのこと)と叫び,シシカバブーに舌鼓を打ったのでした...

★タクリマカン沙漠はIT先進地域?
 タクリマカン沙漠(東西700km,500km)の真ん中で携帯電話が通じます.といったら,信じられますか?.実は沙漠の真ん中に高速道路(といっても無料です)が走っていて,その沿線沿いでは携帯電話が通じるのです.もちろんオアシス都市内でも通じます.中国の電話事情はあまり良いとはいえませんが,それでも公衆電話はICカード電話でしたし,若い人を中心に携帯が普及しています.大分県の久住山ではつい最近まで,ドコモでさえ通じなかったというのに...

★韓国済州島注射事件
 大学院生時代,湧水調査の手伝いで,生まれて初めて海外,韓国済州島へやってきました.ノミを通り越し,バクテリアの心臓と呼ばれるほど気の小さい私は緊張のしっぱなしです.例によって食事は辛いものしかなく,私の口に合いません.うどんやラーメンがあったので,それで空腹を満たしていましたが,次第におなかの具合が悪くなってきました.そうこうしているうちに熱も出てきました.心配した先生が,病院 へ運んでくれましたが,とつぜん注射をするというのです.異国で注射をするなんて,それも,お尻にするというのです.パンツを脱げというので,仕方なくうら若い看護婦さんの前でお尻を出しました.痛くはありませんでしたが,まだ若かった私には,お尻を見られた恥ずかしさで真っ赤な顔となり,腹痛など何処かに吹き飛んでしまいました.今思えば笑い話ですが,そのおかげか,2度目3度目の済州島は,あれほどきらいだったキムチが大好きになり,腹痛を起こすこともありませんでした.
 美味しい食べ物情報を一つ.韓国本土ではあまり見かけませんが,済州島にはテンジャントゥッペギという,海産物の味噌汁があります.どんぶりの中に貝やたこなどが辛めの味噌汁に入っていて,とても美味しいのです.腹痛を起こしたときでさえ,このトゥッペギだけは消化の悪さなど気にすることもなく,食べることができたほどです.皆さんも,もし機会がありましたら,ぜひ味わってみてください.ちなみに私が食べた中では,済州島の東端,日出峰(イルチュルボン)の付け根の食堂で食べたものが一番美味しかったと思います.

★小沼のボート破裂事件
 
卒業研究(ずいぶん前の話ですが...)で,群馬県の赤城山小沼という湖に,忘れもしない11月23日に行ったときの話です.その日は寒く,小沼には1cmの氷が張っていました.仕方なくゴムボートを用意して器材を積み込み,オールで氷を割りながら湖心へと進んでいきました.すると...ボン!!!と大きな音がしてゴムボートの前半分が爆発したのです. 割った氷の破片でゴムボートが裂けたのです.気温は-10℃,水温0℃そんな中に放り出されたら,あの世行きです.まして,たった一人で周りには誰もいない...発見されるのは来年氷が溶けた頃か,と覚悟しました.幸いなことに,ゴムボートは2気室で後半分が無事だったことと,防寒用として底にエアマットを敷いてあったので ,かろうじて浮いていたのです.更に幸いなことに,観測器具類(総額100万円也)もボートの後に乗せていたので,私のお尻だけが冷たい思いをしただけですみました.
 私の人生の中で死を覚悟したのは未だに3回(もう二回は後述...)だけです.しかし,不思議なものでゴムボートが破裂した瞬間,体は反応していましたが,心の中では22年間の人生をスローモーションで走馬燈のように思い返していました. 同時に,ああ,器材が沈んだら,先生に怒られるな,ということだけを考えていました(死んだら怒られることもないのに変ですね).
 ふと現実に帰り,必死にオールを漕いで岸に着いたときには,体中の力がなくなり,もう調査をする気が失せていました.野外調査はとても楽しいものですが,みなさんは決して無理されぬよう,気をつけて下さい.一番大切なものは命ですよ.

★北海道,先生が来ない!事件函館山より
 
ある有名な地形学者のJ先生と北海道へ巡検に行った時のことです.巡検とは別名を野外実習ともいい,実際の現場を見ながら学び,調査実習をします.さてさて,函館駅に 学生たちと昼頃 待ち合わせましたが,いっこうにその先生が来ないのです.2時間後,構内放送で私の名が...いやーな予感がしました.事務室に行き,電話をとると「いやー寝坊してしまって,まだ東京なんです.へへへ...」.
 仕方なく学生を函館山に登らせて,私が説明をしました.その夜先生はにこやかにやって来ました...怒怒怒...



★北海道,居眠りするな!事件オシンコシンの滝
 同じくJ先生の東北海道巡検の際の話です.バスをチャーターした日程も終わりに近づき,疲れでJ先生は居眠りをしていました.もうかなりのお歳でしたので,私は気持ちよく寝かせてあげたのですが...ふと目を覚ましたJ先生.何を思ったか後の学生たちを見回しまし て,「居眠りするんじゃない!!!,私は一度も居眠りなどしたことがないんだぞ!!!」といって再び居眠りを始めたのです.私と学生たちは唖然としながら,静かに(内心は怒怒怒..)先生の寝顔を見守ったのでした.



★那智の滝かち割り事件
 
やはり同じくある有名なJ先生と巡検で紀伊半島一週に行ったときのこと...いよいよメインイベントの那智の滝にやってきました.ふと見ると先生はハンマーを 手にしています.いやな予感...案の定,那智の滝下の注連縄を張ってある岩を周囲の目などものともせずに,ガンガン 叩き始めました.すると...遠くから,作務衣を来た人がやってきます.ううぅ,まずい.えぃ,他人のふりをして逃げてしまえ.幸い,巡礼の人だったようで事なきを得ましたが...
 先生に時間がないと促して,そそくさとその場をあとにしました.那智の滝関係者の方,叩いたのは某J先生です.幸い傷は付いていません.お許しください.

★玉虫池脱輪事件(New!)
 
あまり思い出したくない事件ですが,11月末に山形県の玉虫池に調査に行った時のことです.あいにく雪が降り積もり,愛車は滑りながらも山道を登っていきました.道路の右側は断崖絶壁となっています.すると突然ハンドルをとられ右前輪が脱輪し,崖につきだしてしまいました.運転席をあけると底に地面はなく真っ白な崖になっています.高所恐怖症の私は恐る恐る助手席側から車を降りました.
 さて,困ったことになりました.全くの山中で,周囲5kmに民家などはありません.一人の力ではどうしようもない状況です.すると,どこからともなく車の音が...天の救いか.やがて一台の車が現れました.「なにしてん(だったと思い)」「いやー脱輪してしまって」「なーんだ.手伝ってやっぺ(だったような)」ということで,二人で車のフロントを持ち上げなんなく,脱出となりました.
 一冬越さねば人も来ないようなこんな山道で,すぐに人が現れるとは奇蹟です.ところがこれは,私を天国から地獄へ突き落とす前触れだったと誰が想像できるでしょうか.このおじさん,たまたま玉虫池の工事に来ていたのですが,私が玉虫池にやっとの思いで行ってみると...そこには工事のために水が抜かれ,湖底の露出した池しかありませんでした...

★鎌池脱輪事件

★「大鳥池」幻のタキタロウを求めて

★檜枝岐村「白沢の池」探検日記
 前人未踏の地を探検したい同好会(といっても2人ですが..)の小川くん(仮名)とともに,一時期日本各地を探検したことがあります.檜枝岐村に「白沢の池」という幻の湖があります.マタギの人でさえ何人も行ったことがないような幻の湖です.東京から車で6時間,2人で道無き道を歩き,藪をかき分け格闘すること5時間,ついに幻の湖「白 沢の池」が現れました.「.....」前人未踏?の地に到達した達成感はあったのですが,肝心の湖は藪が多くてわずかに見えるだけです.湖畔は,足場が悪くほとんど近づくことができません.水サンプルだけはかろうじて採取することはできましたが,あまり秘湖に来たという感じはしませんでした.とはいえ,この地に来た数えるほどの人間に私と小川くんが加わったことに満足し,湖を後にしました.

★奥日光「五色沼」探検日記
 奥日光に「五色沼」という火口湖があります.観光コースから外れ,登山者しかみることのない秘境の湖です.その奥には更に誰もいかない湖もあり,小川くん(仮名)とやってきました.日帰りでは無理なので,避難小屋に一泊することにしました.当時,経験の浅かった私は,避難小屋での宿泊に期待に胸を膨らませていったのですが,そこは避難小屋,電気もない荒れ果てた小屋でした...その夜私は,うとうとしながら小屋を飛び回る幽霊の夢をみてうなされていました.当時「ゴーストバスターズ」という映画がはやっていた時期だったと思います.幽霊はもともと苦手だったので,ほとんど眠ることができず,翌朝になってしまいました.
 雲一つ無い快晴の眼下にエメラルドグリーンの水を湛えた五色沼が見えました.寝不足と疲れはあっという間に吹っ飛んでしまいました.残念ながらもう一つの湖には水が無く,サンプリングできませんでしたが,あのときの五色沼の美しさは忘れることができません.

★奥只見「沼の平」探検日記笹沼曲沼
 奥只見の山奥に「沼の平」という湖が6つほどある,秘境の地があります.例によって小川くん(仮名)と二人で現地で待ち合わせ,探検に出掛けました.ところが,私は東京出発が遅れてしまい,現地に着いたのはもう,明け方になってしまったのです.ほとんど仮眠することもなく登山を始めました.当然のように,体調が悪いのです.足が重く,心臓がどきどきします.小川くんには先に行かせて私はゆっくりと行くことにしました.いつ倒れるかという状況になりつつありましたが,ゆっくりと3時間 ほどかけて,やっと曲沼,笹沼という湖に達しました.その美しいこと... おそらく,この湖を見た人はごく少数と思われます.しかも,その時点では小川くんと2人きりです.私には他人が体験できないことに満足感を覚えるおかしな癖があるようですが,体調の悪さも忘れ,写真をとり,サンプリングを済ませました.

★津軽十二湖

★北海道三大秘湖「東雲湖」はゴルフ場の池?事件
 新婚旅行で,嫁に北海道三大秘湖の一つ「東雲湖」を見せてやろうと,張り切って連れて行きました.しかしねこの湖へはヒグマが徘徊する湖畔の道を2時間ほどかけて歩く必要があります.あまりの遠さに嫁の機嫌が悪くなっていきます.しまいには怒り出しました.なだめなだめやっと東雲湖に着くことができたのですか,そこで嫁が一言「こんなゴルフ場の池みたいなところ,面白くも何ともない.帰る!!!」「.....」
 そこに更なる不運が待っていました.実は,東雲湖の近くに船着き場があり,観光船が横付けしていたのです.そんなことも知らなかった私がばかでした.嫁はぷんぷん怒って先に帰ってしまい,私だけ湖畔の駐車場にとめた車を取りにとぼとぼと向かったのでした.「サンプリング道具を持っていったのが悪いんだ」と後で友人から怒られました...
 北海道三大秘湖とは「オンネトー」「オコタンペ湖」「東雲湖」のことをいいます.もう秘湖というほどの湖ではなくなりましたが,どれも風光明媚な美しい湖です.

★測量学実習謹慎事件
 あれは忘れもしない3年生の夏休み,白馬村へ6泊7日で測量学実習に行ったときのことです.昼間はうだるような炎天下の暑さの中,測量実習に取り組みます.その初日の夜のこと...あまりの暑さに我々同志(いわゆる飲み友達)は,近くの酒屋でビールを買い込み,部屋で心おきなく味わっていたのでした.そのうち一人が騒ぎ出しました.といってもどんちゃん騒ぎということではなく,隣の部屋でにちょっかいを出す程度だったのですが...
 翌日...指導のT先生から,「昨夜はずいぶん賑やかだったねぇ.今晩からは,飲酒,外出を禁止します.」とのお達しが出てしまいました.とほほ,と一度はあきらめましたが,その夜もやはりビールを飲みたい衝動に駆られてしまいます.仕方なく,一人で宿を抜け出し,自販機でビールを買い込み,一人ほてった体を冷やしたのでした.当時,将来の私の嫁も一緒だったのですが,夜な夜な出掛けていく私を,不審な思いで見ていたようです.夜歩き(夜遊びではない!)の河野という,評判がたったのもこの頃でした.最近の夜歩きはとても怖くて,出る機会も少なくなりましたが,当時はのんびりとしたいい時代だったように思い出します(そんな歳ではありませんが...).


★八甲田山熊事件

★四尾連湖絶叫事件私が脅かせすぎた女子学生たち(ごめんね..)
 山梨県市川大門町に四尾連湖という湖があります.某A先生の巡検で学生たちと水文調査をしていたときの話です.水温を24時間測定するため,数人の女子学生と真夜中ボートで湖に漕ぎ出しました.実はその前に怪談話などをして準備万端出掛けたのですが...
 定点につき,測器を湖におろします.私が,「あっ!」というと,「きゃーーー!」と黄色い声が響き渡りました.「ごめんごめん,湖の中で何か動いたような気がしたもんだから...」,すると「き゛ゃーーーーーーー」という絶叫が木霊しました.女子学生は怖がって,調査する気が失せてしまったようです.ちょっとからかいすぎたかな,と反省して私一人で水温測定をしたのでした...
 まあ,なんだかんだいろいろとあった巡検でしたが,最終日は全員でボート漕ぎ競争を開催.なんと優勝は御歳55歳のA先生でした.がんばれ学生たち!!!


★山形の雪に埋没事件
 
11月下旬だったと思います.山形に調査に行ったときのことです.目的地は,山中にある湖です.しかし,雪がちらついてきました.本当は,湖畔まで行き,そこでキャンブしたかったのですが,万一帰り道が雪に埋まると来年の春まで待たないと行けないので,里の道脇で寝ることにしました.ところが雪がいっこうにやまないのです.しんしんと降り続いています.このままでは車も埋まってしまいます.しかし,睡魔が勝りました.念のためエンジンをきり,暖房がないので多少は寒かったのですが,翌日のことです.気持ちよく目覚めました.しかし,周りの景色が見えません.真っ白い世界になっていました.こ,これは,もしや.と思ってドアを開けようとしましたが,開きません.そう,完全に雪に埋まっていたのでした.仕方なく,窓を開け,雪をかき わけ脱出したところ,車は大きな「かまくら」状態でした.スコップを取り出し格闘すること1時間,やっと車を掻き出しました.
 こんなことは雪国では良くあることですが,注意しなければならないのは,雪に埋まったらエンジンを切るということなのです.さもないと,車のあらゆる隙間から,排ガスが進入して窒息死してしまうのです.幸いその知識(知恵と言うべきか)があったので,命拾いしました.このほかにも雪には怖いこと,面白いことがたくさんあります.みなさんも怖い点をしっかり理解して,楽しく雪と遊びましょう.

★宮古島の干魃を救う事件
 私の恩師,ひげ親父ことT先生と宮古島巡検に行ったときの話です.宮古島は数十年ぶりという干魃に襲われていました.もうあと2,3日雨が降らなければ,サトウキビ畑が全滅しそうな状況でした.
 このT先生,実は伝説の雨男なのです.小豆島の巡検では,2班に分かれて調査をしていたところ,先生が異動するところだけ雨が降ったといいます.さらには,百年に一度雨が降るかどうかというタクリマカン沙漠でさえ,雨を降らせた恐るべき雨男なのです.私は逆に晴れ男ですので,私とT先生が行くと,両者の体調の具合によって,快晴あるいは嵐 ,時として天変地異が起こります.実際,雲仙噴火による巡検中止,指宿巡検では桜島の大噴火,八甲田巡検では大雨によるJR不通,などなど数え上げればきりがありません.
 そんなT先生が,干魃の宮古島に乗り込んだのです.もう,結果はおわかりですね.そう,その夜は大雨が降ったのでした...

★宮古島「おとーり」事件
 雨を降らせたおかげか知りませんが,宮古島の方が歓迎の儀式を開いてくれました.宮古島独特の風習で「おとーり」といいます.まず,主催者が一つのコップをもって,参加者一人一人に焼酎をなみなみと注ぎながら,お互いに一杯づつ飲み干します.それを全員が同じことを繰り返します.つまり,参加者×2杯もの焼酎を飲まされるのです.T先生はお酒は大好きなのですが,さすがに途中で,「後はおまえに任せる」といって逃げていきました.私は,逃げるに逃げられず,朝4時まで,つき合わせられたのでした...次の日は,もちろん仕事になりませんでした.
 昔は焼酎の原酒で行っていたので,たまに亡くなる方もあったとか.さすがに,最近は薄めた焼酎で行うそうです.焼酎好きのあなた.ぜひ経験してみてはいかがですか.おっと,未成年者は厳禁ですよ.

★ECメータ置き忘れ事件

★わが幻の五色沼
 
安達太良山に五色沼という湖があります.きれいな火口湖で,近くにも幾つか湖があるので,ぜひ一度行ってみたいと思っていました.これまでに3度試みましたが,いづれも雨やガスで視界が 効かず断念.私の両親は一回目の挑戦で快晴だったというのに...  ちなみに私は典型的な晴れ男なのです.
 今年の夏も挑戦する予定です.みなさん,晴れることを祈っていて下さい.

★野帳紛失事件

★淡路島は散々だった事件

★菅平は雪道だった事件

★榛名山雷事件
 
群馬県にある榛名山に榛名湖という湖があります.この湖を調査するために,夏のある日のことキャンプ道具を車に放り込んで出掛けました.素晴らしい景観に浸りながら調査を終え,湖畔で夕食をとり明日の調査のために早めに休んでしばらくしたときのことです.夕方から雲行きが怪しくなってはいたのですが,案の定,ピカゴロとはじまってしまいました.雨も激しく降り始めます.そのうちピカッドーン!!!とすぐそばの木に雷が落ち始めます.余り生きた心地がしない1時間ほどの間,車の中で小さくなって雷が過ぎるのを待っていました.あのときの雷と雨のすごさといったら...さすがかかあ天下と空っ風の群馬県だと妙に納得(どこに雷が入っているんだ...)してその日は眠りについたのでした.

★支笏湖の幽霊事件
 友人4人と北海道調査旅行をしたときのこと.他の三人は山へ芝刈りに,いや登りに,私だけ支笏湖の水質調査にいった夜のことです.誰もいない湖畔で心地よいキャンプを楽しみながら,ラジオを聞きつつ,うとうととしていたとき,ラジオからなにやら変な音が,ちゃぷん,ちゃぷん...なんと海からはい上がってくる幽霊の怪談話をしているではありませんか.おりしも湖畔では風が強くなり,波がちゃぷん,ちゃぷんと聞こえてきます.ぞぉーーーーー!.そうです.私は,幽霊とヘビと毛虫が大の苦手なのでした. まして支笏湖は以前,死骨湖と書き,入水自殺者が二度と浮かんでこないと言われる湖です.そうとなっては,いてもたってもいられません.あわててキャンプ道具をしまい,真夜中,町へと向かって車を走らせたのでした.私の人生の中で,これほど人恋しいと思ったことはありませんでした.

★小笠原女子大生失踪事件小笠原諸島父島南方南島
 ご存じT先生と小笠原諸島に巡検に行ったときの話です.夜中,先生は先に休んでいましたが,私と学生たちは酒を飲みながら談笑していました.ところが女子学生が一人足りないのです.トイレでも行ったのかな,と思いつつ談笑を続けていると,全く帰ってくる様子がありません.これは何かあったに違いない.先生が気づく前に探し出せということで,手分けして探し回りました.ところがどこを探しても居ないのです.もしや,もしや海にでも落ちたんではないだろうか.太平洋のまっただ中で,夜中に落ちたら最後,まず見つけ出すことは不可能です.いやな想像が頭の中を駆けめぐります.これで,大学も首か,と覚悟しました.すると...
 「みんな何やっているの」と当の女子学生が姿を現しました.よくよく話を聞いてみると,静かに本が読みたいので,船底にいっていたとのことでした.それなら一言言ってくれればよいのに...全く人騒がせな事件でした.まぁ,何もなかったのでよしとするしかありませんね.


★小笠原置いてけぼり事件

★小笠原南島サメ事件
何も言うことはありません.南島に上陸するには,小型船からこのサメの上を飛び越さねばなりません.ご注意下さい.  
 



★鳴子沼,足が溶けちゃうぞ事件
 大学院の巡検で宮城県鳴子町にある鳴子沼に行ったときのこと... この湖は湖畔まで車で入れる湖ですが,一方で強酸性(pH3くらい)で知られているのです.しかし,同行したのは湖のことなどまるで知らない院生も多かったのです.そのうち何も知らない院生の一人がばしゃばしゃと湖の中に入っていきました.私は,心の中で早く出た方がいいぞー,と思いつつもにこやかに黙って見守っていました.人の体は意外と酸性には強いもの.本人は何事もなかったかのように,湖から上がり,宿へと向かっていきました.
 次の日,案の定,彼のズボンは見事にぼろぼろになっていました.日本は,火山地帯が多く,酸性の強い湖沼がたくさんあります.火山ガスが危険な場合も多いので,くれぐれも注意してくださいね.

★礼文島愛とロマンの8時間コース礼文滝近くの海岸
 
大学院の巡検で礼文島に行ったときの話です.礼文島は東岸沿いに道があるだけで西海岸には舗装道路はありません.人が歩ける?といってもあってないような道があるだけなのです.北のスコトン岬から南の桃岩まで20km強のルートを,地元の人は「愛とロマンの8時間コース」と呼んでいるのです.せっかくだから行ってみようかという話で,総勢10人程で気軽に歩き始めました.始めのうちは高山植物と海の絶景を眺めながら,楽しいハイキングコースでしたが...次第に足場が悪くなり,はては砂山を転がるように滑り降りたりするようなコースになってきました.そのうち某J先生と,一人の学生が遅れ始めます.どうやら足を痛めたようです.当時は携帯などありません.人っ子一人いない海岸を南下するしか手はないのです.仕方なく,手分けして,手を引いたり,肩を貸したりして,ようやく桃岩手前の地蔵岩にたどり着きました.ここはメノウ海岸とも呼ばれ,以前はメノウがたくさん採れたところです.一行は,けが人のことも忘れ,メノウを探し始めます.仕方なく,一人が桃岩まで行き,宿に車を出して貰うことになりました.けが人以外は相も変わらず,メノウ探し.待つこと1時間で,やっと車が到着しました.
 このルートのどこに愛とロマンがあったのでしょうか.今もこのルートに挑戦する人は後を絶ちません.我々一行にはメノウも見つからず,疲労と苦痛しか残らない,1日でした. 


★利尻島三日月沼徒歩紀行

★竜飛岬は雪の中
 さだまさしの「津軽」という曲があります.多少顔が似ている(メガネと生え際だけという意見もありますが...)ので,よく聞いていました.たまたま青森に行く用事があったので,吹雪の津軽半島で歌ってみようと,何故か思ってしまったのでした.JRの終点(当時)三厩駅から竜飛岬まで10km,まあ物好きというか何というか,「津軽」を歌いながら雪の中を2時間かけて歩きました.帰りは,バスにしようと時刻表を見ましたが,出発したばかりのようです.仕方なく,また吹雪の中を三厩駅まで,とぼとぼと歩き始めました.半分ほど来たときのことです,私の横を台のバスがブブーッと通り過ぎました.そうです.私は1時間後にもう1本バス便があるのを見逃していたのでした.あの時の落胆は今でもよく覚えています.仕方なく,もう1時間かけて三厩駅まで歩きました.都合4時間,吹雪の津軽半島を歩き,しっかりと風邪を引いて東京に帰ってきました.

★富士山息切れ事件

★雨生沼フィルムがない!!!の話

★長崎,隣の井戸は弘法水じゃないの?
 弘法水の調査に長崎へ出かけたときのことでした.長崎市内にある弘法水をうろうろと探し回っていたところ,ここではないかなという湧水を見つけました.近所の人に確かめようと,すぐ近くの民家でおじいさんを捕まえ話を伺いました.「あのー,すいません.このあたりに弘法大師の伝説のある湧水があると思うのですが...」.おじいさん曰く,「なに,弘法大師の伝説のある湧水.わしはここに50年住んどるが,そんなものはこの近くにはないぞ!!!」とのことでした.他の人や湧水の祠を確認したところ,やはり間違いなく弘法水でした.おじいさーん.これが弘法水ですよー.
 弘法水の調査では,このようなことは日常茶飯事です.やはり,伝説というものはどんどん廃れていく世の中なんですね.今,伝説のある水を確認しておかないと,数十年後にはまったく判らなくなってしまうことを改めて認識しました.

★金水銀水ボリビンがない!!!事件

★弘法水疑惑の調査員

★この井戸は映画「死国」のモデル?事件
 みなさん「死国」という映画ご存じですか.ホラーというほどではないのですが,なかなか怖い映画です.私はホラー映画に興味はないのですが,弘法水を調査している関係上,見てしまったのです.死人が井戸ら生まれ変わって出てくるという設定なのですが...ある日徳島県のある神社に弘法水があったので,調査に出掛けました.神社の鳥居をくぐり,案内板に従って薄暗い林の中を進んでいきます.あれ,どこかでこの風景を見たような気がするな,と思いながらさらに奥深く進んでいきました.おりしも天気が悪くなり,ぽつりぽつりと雨が降り始めます.するとぽっかりと広場のような所に出て,その真ん中に井戸があるではありませんか.あっ!!!と思い出しました.「死国」の井戸場面そっくりだったのです.ぞぉーーーーー.としましたが,ここまで来て,引き返すには男の沽券に関わる.と思い,恐怖感を必死に押さえながら,井戸に測器やバケツをおろして調査しました.いつ手でも出てくるかと,びくびくしながら調査を終えました.支笏湖の幽霊事件も怖かったのですが,「死国」の映画を見た直後だったこともあり,この時も本当に肝を冷やしました.

★赤城山大沼ちびり事件

★月山で遭難?の話
 11月初めだったと思いますが,山形県月山西麓にある御浜池という湖に調査に行ったときの話です.月山南麓登山道入口の駐車場に車を置き,御浜池に出発しました.この湖へは,登山とは逆に,往きは下り坂,帰りは登り坂という,なかなかつらい行程があります.案の定 ,往きは,ほいほいと走るようにあっという間に着きました.月の輪熊が怖いのですが,鈴とラジオを鳴らしながら楽しい調査行となりました.しばらくは絶景の御浜池を眺めながら,この場所に私しか居ない楽しさを存分に味わいました.さあて,ぼちぼち帰ろうかと,重い腰を上げ,御浜池をあとにしました.ところが...
 御浜池でゆっくりしすぎてしまい,もう日は山陰に隠れそうです.うっ,まずい.今日は山小屋を閉める日だったのです.もう既に駐車場のロッジには,人影がありませんでした.少し焦りながら,帰り道を急ぎます.しかし,帰りは急な登り坂...なかなか距離を稼ぐことができません.そのうちとっぷりと日が暮れてきました.ガサガサという音がすると,熊?!の恐怖におびえながら前に進みます.ふと気がつくと,道がない!!!.完全に迷ってしまいました.もう雪がちらつき始め,夜は相当に冷え込んできます.まして,来年の春まで人は来ない...人生2度目の試練です. 広大な月山の山麓の中で,死を覚悟しました.夜の山中で動くことは決して良策とはいえませんでしたが,死の恐怖が体を動かしました.しばらく道無き道を歩いていると,ぽっかりと涸れた沢のような所に出たのです.南へ下れば何とかなることはわかっていたので,希望が湧いてきました.しかし,最大の恐怖が待っていたのです.道の両脇になにやら得体の知れない人影のような物体が...ここは,あの世なのか?.全身に戦慄が走ります.アドレナリンが体中を駆け回り,心臓が爆発しそうです.意を決して覗き込むと ,それはお地蔵さんでした.しかも,延々と続いています.そうです.そこは,月山巡礼の道だったのです.あまり気持ちのよ いものではありませんでしたが,これで生きて帰れるという安堵感が湧いてきました.しばらく行くと,なつかしい愛車のシルエットが...
 その日は月山の神様に感謝して,静かに山を下りたのでした...

★納池公園牛事件
 大分県久住町に昔のお殿様が避暑地や野遊びの場所として造ったのが,納池公園です.広大な敷地の中に大量の湧水が湧き,樹齢数百年の杉木立が並ぶ,幽玄の世界といってもよいような素晴らしい公園です.私は,1993年から6年間この公園の湧水調査を毎月1回実施していました.そんなある日のこと...
 いつものように気持ちを癒してくれる公園の湧水へ向けて歩いていました.すると,なにやら遠くに黒い固まりが見えます.目が悪いので,よくわからなかったのですが,杉木立を回り込んだ瞬間,その黒い固まりがむっくりと起きあがりました.く,く,熊!!!ーーーー,はいるはずがありません.それは鋭い角をはやした豊後牛でした.その牛何を思ったのか,私に向かって走って来るではありませんか.あんな角に一突きされたらひとたまりもありません.体中のアドレナリンが吹き出し,逃げ出しました.しかし,両手には器材があるのでうまく走ることができません.どんどん牛が近づいてきます.その時,私は足を滑らせて転んでしまいました.や,やられる,と人生3度目の覚悟をしました.しかし,何も起こりません...
 そう牛は,公園の隣にある牛舎にしずしず戻っていったのでした.こらっ,飼い主,きちんと牛の管理をしろーーー.と心の中で叫びながら,転んで泥だらけになったズボンを払いながら,調査気力の萎えた体を引きずって,車へと戻ったのでした.

 

★お菊の井戸は怖かった事件