日本文理大学

【工学部】3Dプリンタ製作講習会開催

(2014/08/08)

  モノづくりの現場では、工学知識や技術を持った高度なエンジニアが求められています。日本文理大学の工学部では、学科共通の科目として専門教育科目「ロボットプロジェクト」を学年毎に開講するなど、専門科目の壁を越えてチームでロボット製作に取り組んでいます。今回の3Dプリンタの製作セミナーでは、機械・電気・情報・航空の学生が、それぞれの専門分野を生かすチームをつくり、プログラミング、3D設計、組み立て、設計デザイン、メンテナンス等の一貫したものづくりを体験することで、高度な工学技術者の養成を目指しています。

 21世紀の産業革命とも称せられる3Dプリンタは、様々な分野での導入が図られており、同時に活用の場も広がっています。今回の教育の目的は3Dプリンタそのものの製作を通して、技術者としての倫理感に基づき、構造を理解すること、機能やシステムを自ら創り上げ、調整できる技術を身につけることにあります。使用するパーツの数は600点以上に及び、通常60時間で行うプログラムを4日間(32時間)で行うため、分業によるチームワークが求められます。又、ものづくりで最も重要で基本となる5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)も、徹底指導しました。当初、学生は戸惑っていましたが、技術者としてモノづくりの現場で必要不可欠であることを理解し、チームでの作業を通して重要であることを体感していたようでした。

 

 8/4講習初日

  

ゝヽE典す学科稲川准教授より、作業に入る前にパーツの説明、材料、作業手順について説明が行われました。(写真上左)

 講習会で製作する3Dプリンタ完成見本(写真上右)

  

班毎に分かれた後、全員で作業手順を確認しました。(写真上左)

 パーツ数600以上に及ぶ部品等をチェックし、いよいよ製作開始です。(写真上右)

  

マイクロコンピュータは、プログラムさえ変更すれば、あらゆる動作を実現できる万能な頭脳とも呼ばれています。今回は、3Dプリンタとして作動させるプログラムをマイクロコンピュータに書き込みました。  部品とマイコンを接続するための電子回路のハンダづけやフレームを仮組みした上で、調整を繰り返しながら部品を組んでいきます。(写真上)

8/5 講習2日目

す崕も2日目に入り、作業手順に従って、製作を進めていきますが、思うように作動せず、その度に班毎で意見を出し合い、一度組み立てたパーツをはずすなどの様子も見受けられました。細部の動きを確認し、微調整を繰り返しながら又、取り付けて動作を確認するという地道な作業の繰り返しとなりましたが何とか、3Dプリンタの組み立てまで終えた班もありました。

  

               

 

 製作に打ち込む学生たち。(写真上)

8/6 講習3日目

3DCADを用いて、3D図面を設計します。立体画像のデータづくりは重要な作業です。(その設計データをスライサーと呼ばれるソフトに転送し、Gコードと呼ばれる工作機械用のコードを作成します。3Dプリンタのマイコンに送りこまれると3Dプリンタが工作機械と同様に、造型動作を開始することになります。)

 出来たデータを3Dプリンタに接続します。材料ヘッドの動作を確認する役割と、立体の造型物として“印刷”するデータを創る役割に分かれて作業が行われました。材料となる樹脂が80〜90度くらいに熱せられ、溶けるため、製作の段階で様々な不具合が生じてきます。学生たちの思うように簡単に出来ないことが分かったことは大きな成果でした。

8/7 最終日

 

               

  講習も最終日を向かえ、3Dプリンタの組み立てを終えた班毎に、印刷を開始し、3D製品第一号を生み出すことができました。(写真上)

  

【失敗の声】

「えっ、なんでこんなに小さくなっちゃったんだろう?」「この造形物の耳長すぎる〜」「設計図を拡大する必要があるなあ。」「100ミリ×100ミリでつくったつもりだったけれど、101×104になっているよ」「モータとプログラミング、それぞれもう一度調整しないと。」

「うちが一番早いから大丈夫でしょ。」「何?煙、ショートしたみたい」「だこが駄目なのか、一つ一つチェックしなければいけない羽目になり、結局一番遅れちゃって、一つひとつの作業を丁寧にすることが大事だって身に沁みてわかった」

 完成させた3Dプリンタで作り出した造形物(写真上:オレンジ色)ものづくりにおいて、このような失敗が、学生たちを大きく成長させてくれたと思います。

 講習会を担当した稲川准教授は、「3Dプリンタを機械電気、情報メディアの学生同士、協力してつくりあげていく講習は先駆的取り組みです。ほとんどの部品はゼロからつくりあげていく(手作り)ので、3Dプリンタの機能が理解できて使えるようになるでしょう。あえて失敗させることで、改善策を考えさせることを重視しています。」と今回の講習の意義を語ってくれました。

 ひとつの製品を作りあげるには、一人の力ではできません。今回の講習会では、機械、電気、情報(プログラミング)、デザインの知識など、機械電気工学科、情報メディア学科の分野で学ぶ技術や知識を出し合ってチームで組み立てていく作業となり、3Dプリンタを協力して作り上げることを通して所属学科は違えども互いに持てる技能を発揮し、課題を達成する意義を実感できたことで、充実した内容となりました。就職した後も、チームで開発を行う際、夫々の専門に軸足を置きつつ、幅広い知識が求められてくることを体験できたことは、これからも将来に渡って学びを継続する意欲につながっていくと思います。皆さんの活躍が楽しみです。

 

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