日本文理大学

【機械電気】プラズマの効果を可視化!共同研究賞を受賞 

(2017/05/31)

“プラズマ”と聞いたら、何を連想しますか?自然界では雷、オーロラ、太陽などなど、私たちの身近なものとしては蛍光灯やネオン、大画面のプラズマテレビ等々、工業製品としても様々な用途に応用されていますが、まだまだその用途には未知なる領域が広がっています。NBU機械電気工学科 川崎研究室で進められているプラズマジェット照射による活性酸素の分布可視化の研究は、その独自の研究手法が評価され、大阪大学、九州大学の研究グループと接合科学共同利用・共同研究賞を受賞しています。この度、その研究内容が大阪大学接合研究所にて、多数の研究者、企業の方々に紹介されました。コチラもご覧下さい⇒受賞報告

 

 ↑「第37号大阪大学接合科学共同利用・共同研究賞」受賞の様子。(写真左:右側)               ↑「第14回大阪大学接合研究所・第14回産学連携シンポジウム」にて受賞講演を行う川崎教授。(写真右)

  

 ↑共同研究賞を受賞した川崎教授(右側)と研究室学生たち。実験の方針は決められているが、実験そのものは学生たちが主体的に行っていて、実験の重要性、独創性、将来性を自覚し、実感してもらいながら研究が進められている。(写真左)                                         ↑実験装置「2次元吸光度測定器」の一部分。中央にあるシャーレの中にある試薬に、プラズマジェットを照射すると、活性酸素の分布の状況を二次元で可視化できる。この装置も一般的に売られていないので、希望する測定を実現させるために部品を集め、教授の指導のもと学生たちが作り上げた。

川崎教授のコメント 受賞について:「受賞した研究テーマは“プラズマ照射による活性酸素の2次元分布を簡易的に可視化する方法”です。今までにない、安価でとても簡単に実施できることがメリットで、他大学との研究ネットワークの拡大につながりました。更に液体中でも使えるのが一番の特徴で、これまで液体の中では困難とされていた実験が行えたことで、国内外の研究者からも注目されています。他研究者の論文にも本研究手法が利用され始め、我々の研究論文が参考文献として引用されています。この研究に貢献した卒業生や今実験に取り組んでいる学生たちにとっても刺激があると感じています。」                                   

実験の成果について:「これまでプラズマを、液体に照射して液体中にある活性種(注1)の種類を調べる方法はありましたが、どの部分にどれだけ存在しているのか、その分布状況はわかっていませんでした。今回、私たちが考えた実験方法で活性種の分布状況を可視化させることに成功しました。もうひとつの成果は、“模擬生体”(注2)中の酸化反応の分布も可視化できることです。プラズマ照射と殺菌範囲の関係に説明が困難な現象があったが、今回の成果により説明が可能になったのです。更に、“模擬生体”の表側と裏側にも酸化反応の違いがあることが判ってきました。模擬生体の中で、どういった経路で活性種が移動しているかが、この実験手法で解明されつつあるのです。この研究をさらに進めていけば、バイオ・医療(注3)の発展に貢献ができます。もうひとつは、“新規接合方法”です。簡単に言うと、強化プラスチックと金属等なかなか引付かない物同志を接合させる分野で、水を弾いていた表面の科学的特性をプラズマ照射によって変化させ弾かなくなるようにし、接着剤で付かなかった物を付きやすくしたり、接着剤の効果を更に高めたりできる技術のことです。このような新しい接合プロセス分野の発展にも貢献できる成果です。」

  

↑同じく研究室の学生たちと実験中の様子。皆夫々が役割を担っているため、9月の学会では各人の持ち場からの発表を目標にして、日々研究に取り組んでいる。(写真左)                               ↑こちらはシャーレの中に模擬生体を入れて、プラズマジェットを照射したところ。紫色に変色しているところは、活性酸素の分布状況を現している。色が濃い部分ほど活性種が多く存在するという。(写真右)

今後の展望:「この研究は国からの研究補助金である科研費にも採択されています。出来るだけ安く、新しいアイデアで今まで出来なかったことを可能にしたことがキーポイントになるでしょう。研究室独自の成果も他の大学に負けないレベルになってきていることを学生たちに意識してもらっています。学生らが実験結果について尋ねてきますが、それは未知の領域なので私にも誰にもわからない。それを明らかにしていく、その気持ちを強めていく、するとこうしたいといったアイデアが湧いてきて学生たちからも意見が出てきます。今の手法で得られる“誰も知らない情報”はまだまだ沢山ありますが、今何が求められているのかを的確に把握しそれを具現化しようとするチャレンジを欠かすことはできません。今の研究の発展版も考えながら次に繋げていきたいですね。」

NBU機械電気工学科 川崎研究室のプラズマ研究が、将来の医療や接合技術に大きく貢献できることが期待されます!

活性種(注1):反応性の高い粒子のこと。プラズマ照射によって発生する活性種により、怪我の治療や殺菌効果が促進するなど研究の進展が待たれます。

 模擬生体(注2):ゲル(豆腐、寒天、コンニャク等)状の物質で、今回の実験では生体に似た性質を持つゼラチンやアガロースが使われています。

 バイオ・医療(注3):バイオテクノロジー分野では、遺伝子やタンパク質の性質を変えて新種の作物や新薬の開発に貢献したり、医療分野では創傷(切り傷)治療やがん治療などで効果を示す事が期待されています。

 

 

 

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