研究テーマ:下水管の工事や検査を安全かつ低価格で行う国産初の高摩擦位置保持型リン グチューブ式止水プラグの研究開発経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に令和3年度採択され、令和5年度までの3年間で、「下水管の工事や検査を安全かつ低価格で行う国内初の高摩擦位置保持型リングチューブ式止水プラグの開発研究」に産学連携で挑戦しています。【研究開発に至る背景】高度成長期時代の昭和30年代から整備が進められてきた下水管の総延長は約48万㎞に達し、その内の約2.2万㎞が耐用年数の50年を経過しています。昨今、下水管の老朽化等が原因で水漏れや道路の陥没事故が勃発し、今後、安心安全な社会を維持するためには、老朽化した下水管の点検や破損した下水管の修繕が喫緊の課題となっています。これまで一般に使用されていた主な止水器具はゴム製バルーン式で、地下での作業時に破裂するなどの事故も多発しており、また、下水管の口径が多様であることから欧米からの輸入に頼らざるを得ないなど、様々な課題が山積している状況でした。これからの社会課題に対応すべく、株式会社ホーシン大分工場、大分大学、日本文理大学が共同研究し、国内初の止水プラグの開発に挑戦しています。リングチューブは、高内圧に耐えられる強度が求められるため、本学の海洋工学実験場では、水圧の実証実験を行うなど、環境条件に対するシミュレーションを行っているところです。本学が令和3年度に実施した内容は、以下の通りです。①FEMを用いて、計画している構造様式で、止水が可能か否かを解析した。②実物の10分の1を製作し、止水目標が達成できるか、実験した。令和4年度は、上記の解析結果を踏まえ、実物大の実験装置を作成して、その止水能力と強度を検証します。本学では実物大実験に先立って、前年度に引き続いて構成パーツのFEM解析と模型実験を実施しています。