授業内容


第2回 SASシステム
1 SASシステム

1.1 SASシステムの起動

1)ツールバーのSASアイコンをクリック

または、

2)「スタートボタン」クリック
3)「プログラム(P)」ポイントorクリック
4)「The SAS System」ポイントorクリック
5)「SAS System for Windows v6.12」ポイントorクリック

 

1.2 SASシステムの終了

1)「ファイル(F)」クリック

2)「終了(X)」クリック

または、

3)「閉じるボタン(右上の×印)」クリック

 

1.3 SASの利用

SASを起動すると、(基本的に)次の3つのウィンドウが立ち上がります。

○PROGRAM EDITORウィンドウ

ここにプログラムを書き込みます。作り上げたプログラムを実行する(計算させる)ためには、PROGRAM EDITORウィンドウの「ローカル(L)」から「サブミット(S)」へ行きクリックで実行になります。または、ウィンドウの実行ボタン(人が走っている形)をクリックしても大丈夫です。

○LOGウィンドウ

プログラムを実行(サブミット)すると、プログラム実行中の情報やSASシステムからの情報が表示されます。もし、プログラムに問題があればここに赤、または緑の文字でメッセージが出ます。

○OUTPUTウィンドウ

SASの処理結果が、何も問題がなければ問題のない形で、問題があればそれなりの形で表示されます。

上の画面では、PROGRAM EDITORウィンドウの縁取りが青く表示されていて、LOGウィンドウの縁取りは灰色になっています。縁が青くなっている状態をアクティブ、灰色の状態を非アクティブと呼びます。
アクティブになっているウィンドウが現在利用されているウィンドウを示し、非アクティブになっているウィンドウは休止状態になっているといえます。

各ウィンドウが、同時に見えているほうが操作しやすいようです。ウィンドウの端をドラッグして幅を調節するか(例1)、ウィンドウの「ウィンドウ(W)」から「タイル表示」を選んで(例2)、3つの画面が同時に見えるようにしてみてください。

画面例1

画面例2

 

立ち上げただけでは、LOGウィンドウやOUTPUTウィンドウが見えないことがあります。もし、保存していたものなどを見たい場合は、ウィンドウの「グローバル(G)」をクリックして、「ログ(L)」、「アウトプット(O)」の各ウィンドウを呼び出しましょう。

 

では実際に、簡単なプログラムをPROGRAM EDITORウィンドウに打ち込んで見ましょう。
開始位置はどこからでも構いませんが、後のことを考えて左上の隅から始めることを勧めます。

 

SASプログラム例

【プログラム先頭】 

data cmp00;*(頑張って手入力してみましょう);
input samno hght wght ft atnd allw;
cards;
1 157.0 . 24.0 2 .
2 177.7 76.5 26.0 4 100000
3 156.5 51.0 24.0 4 60000
4 173.0 59.0 27.5 4 30000
;
run;

proc print data = cmp00;
run;
*comment1;
proc means data=cmp00;
var hght wght ft allw;
run;

/*** comment2 ***/

proc plot data = cmp00; plot hght*wght; run;
quit;

【プログラム末尾】 

SASプログラムは、SASステートメントと呼ばれるステップバイステップの命令を集めたものになります。SASステートメントは、そのタイプを表すSASキーワードで始まり、セミコロン( ; )で終わります。セミコロンを忘れると命令は完了しません。 

注)閉じる前に。

SASを終了すると、そこで作成したプログラム、ログ、アウトプットは消えてしまいます。各ウィンドウの「ファイル」から、「新規保存(A)」、または「上書き保存(S)」で各自のフロッピーディスクの上に保存するようにしましょう。ただし、保存の形式は各ウィンドウの形式に併せるようにしましょう。
また、プログラムは一度実行すると、エディタ画面から見えなくなります。直前に実行したプログラムを呼び戻したいときには、PROGRAM EDITORウィンドウの「ローカル(L)」から、「テキストのリコール(R)」をクリックすれば、直前のものに限り復帰できます。その上で保存しましょう。
さらに、複数回プログラムを実行させていくと、LOGウィンドウ、OUTPUTウィンドウには前の結果に連続して、出力が行われていきます。「編集(E)」から「テキストの消去」を使って、その都度保存の際に重くなりすぎないように、消去してください。

 

2 SASデータセット

2.1 データセット

プログラミングを行う際に、データの保存場所と、プログラムの保存場所は別々にするのが基本です。

もしも、プログラムの実行中に何らかの不備があった場合に、折角のデータまで消してしまっては取り返しのつかないことになります。上のプログラムのように、短いデータであればそれでも構わないでしょうが、今から作っていくような比較的大きなデータの場合、作業効率の面からも別の場所で行うべきでしょう。
また、皆さんは大学のネットワークの中で、十分なデータの保存領域を確保させてもらえていません。ネットワークのダウンに対するデータの補償が十分に行われている訳でもありません。自分のデータは、(仮保存は別として)自分の責任で管理するようにしましょう。

 

2.2 SASデータセットの作成

一言で言うと、SASで扱うことのできる表形式になった変数、数値の集まりをSASデータセットといいます。そのSASデータセットを作成するためには、SASステートメントで構成されるプログラムを作成し、そのタスクの実行を指示しなければなりません。

ここで必要となるSASステートメントは次の3つです。

1) DATAステートメント

SASデータセットの作成をシステムに指示する。

2) INPUTステートメント

SASデータセットを読み込むのに、システムが必要とする情報を提供する。

3) CARDSまたはINFILEステートメント

a)CARDSステートメント

DATAステップの直後にデータ行があることをシステムに報告する。
つまり、その場にデータを入力していく場合はこちらを使うことになる。
INPUTステートメントの直後に用いる。

b)INFILEステートメント

ディスクまたはテープに保存ざれている生データを呼び込みに行くときに、データの所在をシステムに報告する。直接そのプログラムの上にデータを置かない場合はこちらを使う。
CARDSステートメントと異なり、INPUTステートメントの前に指定することになる。

例)AドライブのFDの中の第1階層にSASDATAというフォルダがあり、その中にcmpというファイルがテキスト(スペース区切り)形式で入っている場合の記入方

data cmp00;
infile 'a:\SASDATA\cmp.prn';
input samno hght wght ft atnd allw;
run;

(以下略)

 


補足1 SASデータ入力上の注意

" (空白・スペース)"と".(ピリオド)"と ",(カンマ)"

SAS上でデータを扱う際に、空白のセルがあるとその部分を詰めてしまうという問題が発生します。そこに何も入れるべきデータがない場合、".(ピリオド)"を打つようにしてください。(データをシンプルな形で扱うために、この授業ではそのようにしたいと思います)

また、",(カンマ)"と".(ピリオド)"も、意味が異なります。用法を間違わないように注意しましょう。例えば、フランスなどでは、一万二千三百四十五点六を12.345,6と書きますが、日本では12,345.6と書きます。世界は広いです。

 

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