NBU日本文理大学

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インタビュー

学生時代の努力と
挑戦の想いが原動力に。
行動力と思考力、
挫折の経験で夢を掴み取る

NBUを卒業後、2018年に「株式会社 For A-career」を設立し、就職支援やコンサルティング、広告など、さまざまな事業を多角的に展開する浅尾 洋伸さん。NBUでひたむきに野球と学業の両立に向き合い、在学中から起業を決意していたと話す彼に、大学生活の思い出や起業までのストーリー、今の若者に必要なマインドなどを語っていただきました。可能性を信じ挑戦する若者を応援したいという企業理念の背景に隠された想いとは・・・。軌跡や挑戦をじっくりと紐解いていきます。

株式会社 For A-career
代表取締役
浅尾 洋伸
ASAO HIRONOBU

福岡県立糸島高校卒業後、日本文理大学経営経済学部経営経済学科へ入学。2014年3月卒業してから1年後、保険代理店に入社し、全国2位の営業成績を残す。その後、大手人材会社を経て、2018年4月に「株式会社 For A-career」を設立。「挑戦を当たり前にする」のコンセプトのもと、20代の就職支援事業「えーかおキャリア」を中心に、介護採用コンサル事業、ノーコード開発事業など、幅広い事業を展開中。

起業に至った原動力は、
NBUで野球に明け暮れた毎日

NBUに入学した一番の理由は「プロ野球選手になりたかったから」です。小学生の頃から野球に打ち込み、糸島高校卒業後、NBU硬式野球部に入部しました。全国的に見ても上位の部員数を抱える硬式野球部は、A軍B軍があります。全国から集った実力ある部員ばかりでしたが、誰よりも練習し、声を出し、仲間が落ち込んだら声をかけて・・・今、何をすべきかを考え、全力で取り組みました。「チームのために自分ができることは何か」を常に考えて練習に励んでいました。1〜3年次はA軍に入り、試合に出られるようになりました。引退時まで野球一筋の生活を送っていましたね。

周りの友人たちがキャンパスライフを満喫するなか、正直、このまま野球をやり続けて良いのかという葛藤もありましたが、プロ野球選手への夢に向かって、ハングリーな気持ちを忘れずにひたすら努力を重ねていました。野球に打ち込む中で気づいたのは、才能だけでなく、しっかり努力している人だけが第一線で活躍できるということ。レギュラーになれなくても、野球選手になれなくても、努力する習慣があれば社会に出てから挽回できます。努力だけは誰にも負けなかったですし、野球に向き合う姿勢が今の自分につながっています。

大学3年のときに野球を引退すると、情熱を注ぐモノがなくなりました。友人たちが続々と内定をもらうなか、野球一筋だった自分はようやく就職活動がスタートしたばかり。体力には自信があったので、消防士や警察官といった身体を動かす職種にチャレンジしてみたものの、適性検査で軒並み不合格となり挫折も味わいました。野球と同じぐらい熱中できる仕事とは何だろう?考え抜いた結果、“起業”という答えにたどりつきました。卒業後は実家のある福岡に戻りましたが、起業したいけれど、知識もスキルもないし、まず何をすればよいか分かりません。起業した知り合いも周りにはいなかったので、まずは環境を変えるためにも上京を決意しました。

目標に向けた小さな積み重ねが
起業のために必要なプロセス

その時の自分には足りないものが多すぎることは分かっていたので、東京の企業で働くスキルを身につけなくてはいけないと強く感じていました。まずは営業力を磨くために、複数の企業の営業職に応募し、最初に内定が出た保険会社で働くことにしました。電話でアポイントを取り、お客さまへの最適なプランを提案しました。入社後すぐにスタートダッシュを切りたかったので、内定をもらった直後からテレアポのアルバイトを始めました。しっかりと下準備して、保険会社に入社したつもりでしたが、最初の3ヶ月は全く手応えを感じることができませんでした。そこで、同僚よりお客さんのもとを1件でも多く回れるように、早朝から出社するようになりました。また終業後は、部長や課長に自分から声をかけて、ビジネスのノウハウを教えてもらったり、先輩の営業に同行して営業の手法を学んだり…。その結果、2年目で大阪支社の立ち上げプロジェクトに加わることができたんです。自分で積極的にアクションを起こすことで営業の基礎を徹底的に身に着けることができましたね。

保険会社で2年働き、起業への想いもますます強くなりました。しかし、BtoCの営業はできても、BtoBの営業経験やマーケティングの知識はありません。起業のための次の一手を考えていたところ、大手人材会社の知人から「新規事業の立ち上げに協力してほしい」との誘いがあり、転職を決意。私は「人生1回限り、挑戦しないなんてもったいない。やりたいと思ったらチャレンジを」を信条としています。失敗したらまた這い上がればいいくらいの覚悟もありましたね。昔、ある企業のアメリカ人社長とお話したとき、「なぜ日本人は事業が失敗したり、キャリア形成に失敗したら諦めてしまうのか?」と聞かれました。アメリカではそういった人はたくさんいるし、起業で失敗し、立ち上がろうとした企業のほうが評価は高いと聞きました。確かに、挫折を乗り越え、成功したビジネスケースもたくさんありますよね。その社長の話にも背中を押され、人材会社の営業職に転職し2年間働きました。そこではトップの営業成績を残し、スキルも経験も確固たる自信を持てるようになりました。いよいよ起業に向けて本格始動する時が訪れます。これまでのキャリアやスキルを考え、自分が活躍できるのは就職支援に関する分野しかないと「株式会社For A-career」を設立しました。

おそらく起業するほとんどの人は、ひとつの大きな夢を掲げ、それに向かって努力して夢を叶えるパターンが一般的でしょう。しかし、私の場合は自分の持つ知識やスキルを丁寧に棚卸しして、それが活かせるジャンルで起業しました。独立後も、これまで関わりのあった皆さんから「今後も浅尾くんに仕事を頼みたい」「起業するならついていきたい」と言われることも多く、縁は大切だと実感します。

就職活動で重視されるのは、
行動力、思考力、挫折の経験

現在、当社では採用コンサルティング事業が売上の約7割を占めています。残りの3割は広告やマーケティング事業、システム開発の事業です。当社が目指しているのは、昔の私のような“挑戦したい若者”が活躍できる会社です。会社員時代、社内で何か新しいチャレンジができたら独立せずにそのまま働きつづけていたかもしれません。そんな想いがあるからこそ、「挑戦を当たり前にする」をコンセプトに掲げ、「何か面白いことをやりたい」とくすぶっている若者が新規事業を立ち上げたり、新しいサービスを作ったり、若者の可能性を後押しする事業を展開しています。

職業柄、これまでたくさんの企業の採用活動をサポートしてきましたし、私自身も自社の面接をしています。今年は新卒で30人採用予定です。今の大学生を見ていると、学歴コンプレックスを抱える人も多いなと感じます。しかし、多くの企業が重視しているのは学歴ではありません。学生時代の“行動力や思考力”を最重要視しています。行動量は20歳ぐらいまでで決まると言われています。当社で活躍しているメンバーも、学生団体を立ち上げたり、弱小スポーツチームだったけれど、自分で練習メニューを考えて力を身に着けた経験を持つなど、昔からアグレッシブですさまじい行動力を持つスタッフばかり。これまでどれだけのことをやってきたかが重要です。若いうちからたくさんアクションを起こし、思考力を身に着け、挫折の経験がある若者は、社会に出てからも活躍し続けることができます。何かやりたいことがあるなら、就職活動の時期を待たずに、大学1年生次からインターンシップで営業力や社会人基礎力を磨いて、社会に出るまえに積極的にチャレンジしたほうが良いと思います。さらに、「自分が何者で、何がしたいのか」と自己開示できること、つまり、自分の夢を語れるようになるとベストですね。

NBUでは、人間力育成プロジェクトで地域に飛び出し、地域の課題解決を推進していますよね。行動力と行動量の溢れる学生は多いはずです。私のように実力は人並みの人間でも、ほんの少しの勇気と気合いで、夢を叶えることができました。「学歴がないからできない」「自信がない」と考える若者は多いですが、たくさん勉強して大学に入ったのですから、そのことに誇りを持ちながら、まず一歩を踏み出しましょう。勇気を持ってチャレンジして、ちいさな努力を続ければ、夢を叶えるきっかけを掴むことができると思います。学生時代のご縁で、2020年にNBUの「起業学」の授業で講演させてもらいました。今後もそういった機会があれば、直接、学生の皆さんに「やれない理由を探すのではなく、とにかく一度やってみよう」とエールを送りたいですね。

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株式会社 For A-career・就職支援・採用コンサルティング・起業家