NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 心理学(Psychology)
担当教員名 高橋 淳一郎
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 後期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 社会福祉士の指定科目(選択)です。
受講心得 遅刻、講義中の携帯電話の使用、おしゃべり、無断外室など、他の学生に迷惑のかかる行為は禁止です。大学生として最低限のマナーは守って履修してください。
教科書
参考文献及び指定図書 新・社会福祉士養成講座 第2巻 心理学理論と心理的支援 社会福祉士養成講座編集委員会(編) 中央法規
新・介護福祉士養成講座 第13巻 障害の理解 介護福祉士養成講座編集委員会(編) 中央法規
新・介護福祉士養成講座 第14巻 こころとからだのしくみ 第2版 介護福祉士養成講座編集委員会(編) 中央法規
福祉心理臨床学  十島雍蔵(編)  ナカニシヤ出版
関連科目 発達心理学、臨床心理学、社会心理学、カウンセリング、精神保健学、心理アセスメント、その他社会福祉士指定科目
オフィスアワー
授業の目的 主として福祉に携わろうとする学生が、心理学の概要から発達段階、人間理解、心理的援助の方法など福祉に密接な関係にある心理学的知識を身につけることを目的とする。
授業の概要 心理学的知識は、人に関わる様々な分野を理解するために必要な知見を与えてくれます。この講義では幅広い心理学の中から、特に福祉に比較的近い領域のエッセンスを紹介していきます。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回:オリエンテーション
 そもそも心理学とはどのような学問なのでしょうか。大学に入って初めて本格的に触れることとなる「心理学」というものがどのように日常に活かされているのか簡単に紹介しながら、人間理解を広げていきます。

第2回:動機づけ
 人間の行動には必ず理由があります。我々人間を突き動かす欲求とは何かを理解し、欲求不満状態から感じるストレスについて学んでいきます。

第3回:適応
 第2回の内容を踏まえて、人が環境に適応していく力とその背後にある心理的な働きである防衛機制(適応機制)について学びます。さらに、近年問題となっている過剰適応についても考えていきます。

第4回:人格
 自分はもちろん他者のパーソナリティを理解することは、対人関係を円滑にしていくうえでも比較的大切なポイントとなるでしょう。そもそもパーソナリティとは何か、そしてどのように理解していけばいいのか、主要な人格・性格理論を紹介しながら考えていくと同時に、「その人らしさ」とは何か考えていきます。

第5回:感情と情動
 人間は非常に感情やその表現が豊かな生き物です。それゆえに感情や情動といったものにはとても敏感に反応する側面をもっています。しかし、感情や情動がどのように引き起こされるのかは個人差があり、その心理的しくみを理解している学生は少ないでしょう。ここでは脳の機能から感情・情動のしくみについて理解していきます。

第6回:感覚・知覚・認知
 一般的に五感と言われるものは多くの学生が知っているでしょう。それらを使ってわれわれがどのように外界を知ることができるのか、さらに自己の内部環境を知るための感覚についても学んでいきます。人間が外界の情報を自分の中に取り込んで理解する過程である知覚や認知について、その過程を学んでいきます。

第7回:学習と記憶・知能
 これまで私たちは様々な行動を学習してきています。心理学で言う「学習」とは非常に幅広い意味を含みますので、その点について解説した上で覚えることと忘れることの過程について学んでいきます。さらに知能や創造性をめぐる問題についても考えていきます。

第8回:成長・発達①
 人間は一生涯を通じて成長・発達を続けます。ここでは生涯発達の観点からエリクソンの心理社会的発達理論をベースに一生の前半部分である乳児期から青年期までの発達課題について考えていきます。子どもの成長発達と愛着の関係や親になることの意味、青年期における自我同一性の獲得までの心の葛藤やモラトリアムをめぐる問題など、まさに学生がこれまで経験してきたことの発達的意義について理解を深めてもらいたいと思います。

第9回:成長・発達②
 第8回に引き続き、成人期から老年期までの一生の後半部分の発達課題について考えていきます。加齢に伴う心身の変化や日常生活の変化、家族内や地域での役割など、特に老年期というまだ学生には見えにくいところを理解できるようにビデオなどで実際の姿を見てもらいます。また、成人期から老年期に出現しやすい病気と健康維持のために必要な医療との連携などについて、高齢者の医療に関わる法律なども取り上げながら説明をし、その二次的な障害などについて理解を深めていきます。「年を取る」ということはネガティブにも思われがちですが、その価値を発見してもらいたいと思います。

第10回:老年期の認知症
 第9回で老年期について学びますが、老年期をめぐる問題で大きなテーマである認知症を特別に取り上げていきます。ここでは認知症の中核症状や周辺症状、原因などについて解説していきながら認知症の行動および心理的な影響といった認知症高齢者の日常生活への理解を深めるとともに、アセスメントや治療の実際、そして予防方法や認知症高齢者へのチームアプローチのあり方および家族への支援方法について考えていきます。また、認知症に対する理解やそのケアのあり方がどのように変遷していったのかなど、認知症を取り巻く歴史と現状についてもお話をしてきます。

第11回:人間理解の基礎
 第10回までは人間をいくつかの側面から理解していこうとしてきました。ここでは人間個人を全体として理解していくことを目的として、現代心理学の大きな柱の一つである精神分析理論と行動理論を対比させながら概説していきます。我々の行動やパーソナリティなどをつかさどっているものは何なのか、そして普段何気なく使っている「無意識」という言葉の本当の意味について考えてください。

第12回:障害の理解
 一口に障害と言ってもその内容は非常に多岐に渡ります。ここでは身体障害や発達障害などについて、その医学的・心理学的特徴や生活などとともに障害の概念や障害者福祉の考え方の変遷について「国際生活機能分類」も取り上げながら理解をしていきます。また、障害が及ぼす心理的影響や障害受容の過程、適応などについての理解とともに、家族への心理的支援や福祉職および保健医療職などの他職種連携におけるチームアプローチの必要性について理解を深めていきます。この中ではアセスメントやリハビリテーションはもちろん、実際の障害者理解のためにビデオなども活用していきます。

第13回:アセスメント
 心理テストはとても幅広く、数多くのものが作られています。その中から知能や発達、人格などの測定と診断方法について学んでいきます。

第14回:心理学的援助の技法①
 社会福祉の現場では臨床心理学的なアプローチによる援助も非常に大切となってきます。その中でもまずはクライエントに寄り添い理解しながら話に耳を傾ける傾聴の技法など、主に面接場面で活用される技法について学んでいきます。

第15回:心理学的援助の技法②
 ここでは作業療法や行動療法およびストレスマネージメントなど、リハビリ・治療的援助とこころの健康維持に関わる技法とその理論をいくつか紹介していきます。

定期試験
各自で毎回必ず復習をしてください。
授業の運営方法 ほとんどが講義形式となる予定です 
備考
学生が達成すべき到達目標 ①人間行動の背景について理解できる

②人間が外界の情報を自分の中に取り入れていく仕組みについて理解できる

③ライフサイクルとそれぞれのステージにおける適応について理解できる

④対人援助の理論および方法の基本的なことを理解できる
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 60 講義の内容を踏まえて試験をおこないます。試験は自筆ノートとプリントを持ち込み可とします。
小テスト
レポート 20
成果発表
作品
その他 20 出席について減点方式で点数をつけます。 
合計 100