NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 ミクロ経済学(Microeconomics)
担当教員名 馬男木 三生
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 全コース選択 単位数 4
履修上の注意または履修条件  必修科目「経済学入門」を履修していることが望ましい。
受講心得  ミクロ経済学の基本的な概念や考え方を理解することは、講義を聴いて、教科書を読むだけでは難しいと思います。講義内容の理解を深め、理解できていないところをなくすために、講義の区切りで、全部で4回のレポート課題(演習問題)の提出を求めます。レポート課題は図書館を利用したり、クラスメートと議論して解いてください。でも最終的な答案は、自分の理解に基づいて、自分の力で作成してください。
教科書 「ミクロ経済学講義」(配布プリント冊子)
参考文献及び指定図書 「キーワード入門経済学」河村 朗他偏 (嵯峨野書店)
「現代ミクロ経済学」細江守紀偏(勁草書房)
[ミクロ経済学Ⅰ」,「ミクロ経済学Ⅱ」奥野 正寛他偏(岩波書店)
[ミクロ経済学」西村 和夫(岩波書店)
関連科目 経済学入門、経済数学、経済統計学、財政学、公共経済学
オフィスアワー 月曜日16時20分~17時50分
授業の目的  講義の目的は3つあります。第1はミクロ経済学の基礎的な概念を体系的に理解することです。第2は資源配分機構としての市場メカニズムの機能とその限界を理解することです。第3は、ミクロ経済学の基礎的な概念を用いて、地球温暖化の問題に対する「排出権取引」と呼ばれる経済学的な解決策、独占禁止法で知られる「不完全競争市場」の問題点、国際経済学の基本問題である「貿易の利益」などの現代的な経済問題について理解を深めることです。
授業の概要 【テーマ】 ミクロ経済学の基本的な概念と考え方(理論)の理解
【ねらい】 ミクロ経済学の課題は、稀少な資源を人々の限りない欲望を満たすためにどのように配分するのか、という人間社会の基本問題を分析することです。このような資源配分の問題を分析するには、個人や企業など個々の意思決定主体の行動を理解することが重要です。この講義では、消費者や企業の経済行動を分析し、そしてそこから得られる分析結果を用いて市場メカニズムの資源配分機構としての機能と限界を明らかにします。
【目標 】 受講生にはミクロ経済学の基本的な概念や理論を理解してもらうだけでなく、最も現代的な経済問題である「排出権引」、「電力の自由化」、「貿易の自由化」などを取り上げて、より上級の文献を講読するための知識を修得してもらうことが目標となります。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 講義の目標
 講義の内容を説明します。また、講義に必要な数学について演習をします。
○第2回 需要と供給 (1) 人間社会の基本問題
 人間社会が解決しなければならない3 つの基本問題について考えます。
○第3回 需要と供給 (2) 市場機構
 資本主義経済における市場機構とは何かについて理解します。
○第4回 需要と供給 (3) 消費者余剰と生産者余剰
 社会の余剰の概念を学んで、市場機構の機能を余剰の概念を用いて理解します。
○第5回 需要と供給 (4) 市場均衡と経済厚生
 完全競争市場機構は最も望ましい状態を自動的、分権的に生み出すことを学びます。
○第6回 需要と供給 (5) 演習
 第1回目のレポートの課題について演習と解説をします。
○第7回 消費の理論 (1) 効用と無差別曲線
 消費者の嗜好が実数値効用関数で表現できることを学びます。
○第8回 消費の理論 (2) 最適消費計画と所得
 所得の変化が最適消費計画に与える効果について理解します。
○第9回 消費の理論 (3) 最適消費計画と価格
 価格の変化が最適消費計画に与える効果について理解します。
○第10回 消費の理論 (4) 市場需要関数
 市場需要関数の性質について学びます。
○第11回 消費の理論 (5) 演習
 第2回目のレポートの課題について演習と解説をします。
○第12回 供給の理論 (1) 生産関数
 生産技術の表現について学びます。
○第13回 供給の理論 (2) 費用関数
 生産に必要な最小の費用の表現について学びます。
○第14回 供給の理論 (3) 最適生産計画と価格
 企業の利潤最大化行動について学びます。
○第15回 供給の理論 (4) 市場供給関数
 市場供給関数の性質について学びます。
○第16回 供給の理論 (5) 演習 
 第3回目のレポートの課題について演習と解説をします。
○第17回 市場と社会厚生 (1) 純粋交換経済モデル 
 完全競争的市場の機能を調べるためのモデルの性質を理解します。
○第18回 市場と社会厚生 (2) パレート効率的資源配分  
 パレート効率性の意味を理解します。
○第19回 市場と社会厚生 (3) 厚生経済学の基本定理Ⅰ  
 完全競争的市場で実現する資源配分がパレート効率的であることを学びます。
○第20回 市場と社会厚生 (4) 厚生経済学の基本定理Ⅱ 
 公正な所得分配を完全競争的市場において実現する方法について考えます。
○第21回 市場と社会厚生 (5) エッジワースの極限定理 
 完全競争的市場が経済の統合化の機能を無政府的に果たすことを学びます。
○第22回 市場と社会厚生 (6) パレート効率性の必要条件  
 パレート効率的資源配分が満たさなければならない条件について学びます。
○第23回 市場と社会厚生 (7) ナッシュ均衡 
 経済主体の間の相互依存を分析するための概念であるナッシュ均衡について学びます。
○第24回 市場と社会厚生 (8) 共有地の悲劇 
 大気汚染、交通混雑、騒音などの環境問題をナッシュ均衡の概念を用いて調べます。
○第25回 市場と社会厚生 (9) 演習
 第4回目のレポートの課題について演習と解説をします。
○第26回 総復習
 これまで学んできたことを復習します。
○第27回 不完全競争市場の分析 (1) 非協力ゲームとナッシュ均衡 
 利害が対立する複数の行為主体の意思決定を扱うゲーム理論の基本概念を学びます。
○第28回 不完全競争市場の分析 (2) クールノー寡占市場モデルの分析 
 生産量を戦略として競争するクールノー寡占市場モデルを分析します。
○第29回 不完全競争市場の分析 (3) 拘束力のないカルテルの不安定性
 契約不履行に関して罰則規定のないカルテルは履行されないということを学びます。
○第30回 不完全市場の分析 (4) ジョイント・ベンチャー成功の鍵 
 ジョイント・ベンチャー成功の鍵はビジネス・プランナーの適切な誘導であることを学びます。
○第31回 期末試験 
 試験時間60分。配布資料、教科書の持ち込み可。
○第1回
 「ミクロ経済学講義」配布
○第5回
 第1回目のレポート課題の配布
○第10回
 第2回目のレポート課題の配布
○第15回
 第3回目のレポート課題の配布
○第24回
 第4回目のレポート課題の配布
授業の運営方法  ミクロ経済学の基本概念や理論は図やグラフを板書して説明することになります。説明に必要な図やグラフは配布するプリントに描いています。必要な事項を配布のプリントに自分で追加記入するなどして、講義の内容をしっかり理解するようにしてください。自分で考えてみることが理解を深めることになります。わからないところをそのままにしておくと、その後の講義が理解できなくなることになります。配布プリント、参考文献などを用いて、復習をしっかりと行なってください。そして、わからないことがあれば遠慮なく質問をしてください。
 講義を聴いて、配布資料や参考文献を読むだけでは、ミクロ経済学を充分に理解することは難しいと思います。そのために、レポート課題(演習問題)の提出を求めます。講義内容をしっかりと理解するために、クラスメートと議論したり、図書館を利用したりして、レポート課題の最終答案を自分で考えて、自分で作成してみることが大切です。
備考
学生が達成すべき到達目標  地球温暖化などの環境問題や国際経済における貿易の問題など、多くの解決を求められている現代の重要な問題について、ミクロ経済学の理論を用いて説明し、ミクロ経済学的な経済政策が提案できるようになることです。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 80  講義内容が理解できているかを試験します。
小テスト
レポート 12
成果発表
作品
その他 8  講義に積極的に取り組んだときは、評価の対象とします。欠席や遅刻をしないようにしてください。
合計 100