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教育・研究
シラバス情報
平成24年度
経営経済学部経営経済学科
詳細
シラバス情報
注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「
UNIVERSAL PASSPORT
」で詳細をご確認下さい。
科目名
経済統計B
担当教員名
本村 裕之
配当学年
3
開講期
後期
必修・選択区分
選択
単位数
2
履修上の注意または履修条件
出席状況を直接の評価基準とするわけではありませんが、遅刻と欠席による授業内容の把握の遅れは、そのまま、課題提出の困難さを招きますので注意してください。
受講心得
教科書
中村隆英・新家健精・美添泰人・豊田敬共著、経済統計入門 第2版、東京大学出版会
参考文献及び指定図書
東京大学教養学部統計学教室編、基礎統計学II 人文社会学の統計学、東京大学出版会
関連科目
統計学、統計理論、経済数学、マクロ経済学、国際経済学
オフィスアワー
授業の目的
資本主義社会の基盤を形成するものの、最も重要な要素の一つとして経済を挙げることができます。その経済活動をストック、フロー、または時系列的な統計量として表したものが経済統計量です。経済統計は、統計調査論や利用論をその重点として展開する学問であり、具体的には、新SNAや産業連関表分析といった現実の経済データを用いて、その統計調査の方法、経済分析に必要なデータのまとめ方、及び様々な社会分野における統計利用及び統計分析の方法論について学習していきます。
授業の概要
実際の経済統計量に関するデータ分析の方法を、その目的論から考えて行く。講義は座学形式で行われるが、基本的にはコンピュータの併用により、数学的な知識に乏しい学生に対しても負担になることのないよう、エクセルやMathematicaといったアプリケーションを利用し、経済における統計的処理の必要性と、その方法を学んでいく。後期は、回帰モデルを中心とした、より数理モデルの理解にウェイトを置いた内容を取り扱う。
授業計画
学習内容
学習課題(予習・復習)
第1回 "母集団・部分集団
統計を行う際には、当然そのデータの収集から考えなくてはいけません。データ収集の対象である母集団とその部分集団としてのサンプル集合について考え、データ収集の際に発生する問題点について見ていきます。"
第2回 "標本誤差
集められたサンプルはそのままでは、データとはなりえません。得られた情報の整理を行い、使える形にまとめておく事が必要です。しかし、母集団そのものをサンプル集団とすることは極めてまれであり、その際に発生する母集団とのズレの処理をどのようにするかについて考えていきます"
第3回 "母数と統計量
統計の基本は、得られた統計量から、母集団の分布の母数を求めることにあります。その推定の方法と考え方、注意しなければならない点等について見ていきます。"
第4回 "分布と標本誤差
ある母集団から抽出されたサンプル(標本)の集合体であるサンプル集合が、もともとの母集団を正しく表現している保証はどこにもありません。そのことを理解したうえで、標本分布、標本誤差、抽出手法について考えます。"
第5回 "回帰関係
抽出された2変数の間に、独立変数(説明するもの)と従属変数(説明されるもの)の関係があれば、それを回帰関係と呼び、ある方程式体系をもってそれを説明することができます。サンプル集団の中に存在するそのような関係を導出することを考えていきます。"
第6回 "分散・共分散
分散(Variance)、共分散(Covariance)は、データのばらつき具合を見るためには、とても有効な指標です。回帰分析、相関分析等その適応範囲も広く、統計処理を行う上で外すことはできない概念となっています。"
第7回 "相関係数
サンプル集合を解析しその性質を評価する方法として代表的なものに、回帰分析と相関分析があります。回帰分析は、サンプル集合の性質を、一般回帰式を用い視覚的に表します。一方、相関分析は、サンプル相互間の関係をパラメータとして評価します。"
第8回 "回帰方程式
サンプル集合の特性を評価するための一般回帰方程式の導出を考えます。分布の中に隠れている特性を明らかにし、方程式の形で表します。"
第9回 "回帰方程式の決定係数
一般回帰式によって評価されたサンプル集合が、果たして適切に評価されているのかを判定するのが、決定係数です。ここでも、先の分散・共分散の概念が必要不可欠となるため、深い理解が求められます。"
第10回 "重回帰分析
説明変数が複数ある場合の標本分布について回帰の方法を考えます。"
第11回 "景気変動と経済成長
経済の活動は、そのまま景気変動の結果です。ストックとフローの概念を理解し、景気の変動、季節変動やトレンドといった種々の要素によって、経済がどのように撹乱された形で見えているかを考えます。"
第12回 "時系列変化の構造
現実の経済は、年・月・週といった単位で観察されることが多く、そこで発生する質的量的関係の分析を求められることが多い。その原因究明のための道筋をどのようにすることが効率的かを考えます。"
第13回 "加速度原理
投資の国民所得に与える効果を説明する手段の一つとして加速度原理があります。この加速度原理と景気循環の関連を考え、理論の裏づけのための経済統計の役割を考えます。"
第14回 "ローレンツ曲線
所得累積百分率と人口分布累積百分率を用いて所得の不平等さを表すローレンツ曲線の構造を学びます。しかし、指標として用いられるジニ係数により不平等さの具合は表されますが、ジニ係数の大きさによってのみ不平等さが決定されるのではないことを理解しておく必要があります。"
第15回 "確認
後期を振り返り、補足説明の必要な部分、要点の確認を行う。"
第16回 "期末試験
期末試験を実施し、年間の評価を行います。"
授業の運営方法
備考
学生が達成すべき到達目標
1.統計に対する嫌悪感の払拭
2.講義で学ぶ知識と実際の生活の上で見えてくる新聞・テレビなど各種メディアから得られる情報との整合
3.Excel、Mathematica、SPSS、Rといった各種アプリケーションに対する理解と利用法に対する初歩的能力の取得。
評価方法
評価の割合
評価の実施方法と注意点
試験
80
概念に対する理解ができているか。自分の言葉でそれを表現できるか。
統計に対する知識はあるか。アプリケーションを適切に使用できているか。
それらについて、文章題と計算問題で評価する。
小テスト
レポート
20
成果発表
作品
その他
合計
100
―