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シラバス情報
平成24年度
工学部建築学科
詳細
シラバス情報
注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「
UNIVERSAL PASSPORT
」で詳細をご確認下さい。
科目名
建築材料実験(Experiments of Structure and Materials)
担当教員名
石田 孝一
配当学年
2
開講期
前期
必修・選択区分
建築コース 選択必修
インテリアデザインコース 選択
環境・地域創生コース 選択
単位数
2
履修上の注意または履修条件
必ず靴を着用して下さい。服装にも留意して下さい。
材料力学、構造力学1・2を履修していることが望ましい。
受講心得
計算用具を必ず持参して下さい。
教科書
最新建築構造設計入門 実教出版 和田 章監修
参考文献及び指定図書
鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説 (日本建築学会)
建築工事標準仕様書・同解説 JASS5 鉄筋コンクリート工事 (日本建築学会)
関連科目
構造力学1・2、材料力学
オフィスアワー
授業の目的
主要な建築構造材料である木材、鋼材、コンクリートの物理的特性と力学的特性を、実験を通して理解することを目的とします。木材と鋼材については、中央集中荷重による曲げせん断実験を行い、構造強度と材料強度との関係を理解します。コンクリートについては、その調合設計を行い、混練り、打設、養生を行い、鉄筋コンクリート梁形試験体と圧縮・割裂・曲げ試験用のテストピースを作製します。鉄筋の引張試験、コンクリートの圧縮・割裂・曲げ試験、鉄筋コンクリート梁の曲げせん断実験を行い、鉄筋及びコンクリートの材料強度と鉄筋コンクリート梁の強度との関係を理解します。最後に、木材、鋼材、鉄筋コンクリートの曲げせん断強度の実験値を比較検討して、各種構造材料の特性を理解します。積極的に取り組むことが大切です。
授業の概要
コンクリートの調合設計を説明した後、実際にコンクリートを混練りし、鉄筋を加工して、各種試験体を作製します。鉄筋とコンクリートの材料実験を実施した後、各種建築構造材料のはりの構造実験を行います。
授業計画
学習内容
学習課題(予習・復習)
○第1回 概要説明
授業に先立ち資料を配布します。配布資料を基に、本授業で行う実験内容の概要を説明します。また、授業の進め方、評価の方法・基準を説明します。本授業は実験・実習が主体ですが、実験そのものばかりでなく、実験データの整理・考察にも重点を置きます。
○第2回 コンクリートの調合設計
コンクリートの構成材料は砂利(粗骨材)、砂(細骨材)、セメントと水です。(建設現場で用いるコンクリートには多くの場合混和剤を用います)ここでは、所要の圧縮強度を発現するためのコンクリートの調合設計を説明します。設計基準強度と調合強度との関係を理解することも目的です。後半に調合設計の演習を行ないます。
○第3回 各種実験の説明
実験・実習毎に実験室で説明を行ないますが、ここでは、各実験・実習の具体的な説明を教室で行ないます。実験は、木材、鋼材、鉄筋コンクリートの梁の中央集中荷重による曲げせん断実験と各材料の強度試験(鉄筋の引張試験、コンクリートの圧縮・割裂・曲げ試験)を行ないますが、それぞれの実験の内容・目的・工程を説明しますので、実験の際、戸惑うことのないように、十分に理解してください。
○第4回 鉄筋加工、組立、打設準備
曲げせん断実験用の鉄筋コンクリート梁は学生自身で作製します。先ず、カッターを用いて主筋(D13)及びせん断補強筋(6φ)を所要の長さに切断します。次に、ベンダーを用いて、所定の形状に加工します。主筋は180°フック、せん断補強筋は90°と135°フックですが、形状を整えるのが困難なので慎重に作業する必要があります。次に、主筋にせん断補強筋を結束線で結束し、組み立てます。最後に型枠を整備し、組み立てた鉄筋を配置してコンクリート打設の準備完了です。
○第5回 細骨材の含水率
コンクリートの圧縮強度は水量(水セメント比)に大きく影響されるので、砂(細骨材)に含まれる水量を求め、補正する必要があります。砂が含む水の割合を含水率と言います。ここでは、砂(細骨材)に含まれる水量を求める方法を説明し、実習します。ガラス製品を使用するので、破損したり怪我をしないように慎重に行うことが大切です。
○第6回 コンクリートの調合、混練り、打設 1回目
打設1回目は、コンクリートの調合、混練り、打設の手順を理解することが目的です。班毎に水セメント比の異なる調合で、コンクリートの圧縮試験用のテストピースを作製します。最後に、コンクリートや砂の付着した道具を清掃し、片付けます。
○第7回 コンクリートの調合、混練り、打設 2回目
含水率を求めた後、水量を調整して、調合設計に従い、材料の計量・混練をし、鉄筋コンクリート梁型枠にコンクリートを打設します。打設に先立ちスランプ試験を行ないます。スランプ試験はコンクリートのワーカビリチー(施工性)を測定する試験です。ジャンカ等不良箇所が出来ないようにバイブレーターを使用して打設します。この際、後の試験で用いる圧縮・割裂試験用のシリンダー供試体と曲げ試験用の供試体も同時に打設します。最後に、コンクリートや砂の付着した道具を清掃し、片付けます。
○第8回 脱型及び鉄筋の引張試験
先ず型枠を外し、整備します。コンクリートの汚れをワイヤーブラシで除去し、グリースを薄く塗布して、組み立てます。次に鉄筋の引張試験を行ないます。使用する鉄筋の種類はD16、D13、D10の3種類とします。公称直径、公称断面積について再度説明します。実験では、降伏点強度、最大強度、破断強度を求めます。伸び率についても実験データを計測します。
○第9回 木材梁曲げせん断実験
材長の異なる木材梁2体の曲げせん断実験を行ないます。破壊性状を観察するとともに、荷重と梁中央部の変位を記録し、後のレポートで荷重―変位曲線のグラフを描きます。グラフより、材長の違いによる影響を考察します。
○第10回 鉄骨梁曲げせん断実験
H形鋼梁の曲げせん断実験を行ないます。実験は強軸廻りと弱軸廻りの2通りで行ないます。変形性状を観察するとともに、荷重と梁中央部の変位を記録し、後のレポートで荷重―変位曲線のグラフを描き、強軸廻りと弱軸廻りの違いによる影響を考察します。
○第11回 鉄筋コンクリート梁曲げせん断実験
鉄筋コンクリート梁の曲げせん断実験を行ないます。木材や鋼材と比較して、コンクリートは多彩な破壊性状を示すので、その性状を詳細に観察・記録します。曲げひび割れ、曲げせん断ひび割れ、せん断ひび割れ、付着割裂ひび割れ、圧潰等の破壊を詳細に観察します。同時に、荷重と梁中央部の変位を記録し、後のレポートで荷重―変位曲線を描き、主筋の太さの違いによる影響を考察します。
○第12回 比重の測定及びシュミットハンマー試験 木材の圧縮試験
コンクリートの比重は、構造計算の際、2.3を用いますが、自分たちで調合したコンクリートの比重を測定して、比較検討を行ないます。次いで、曲げ供試体を用いて、圧縮強度を推定する非破壊試験法であるシュミットハンマー試験を行ないます。測点25点に対し、反発係数を求め、換算式によりコンクリート圧縮強度を推定します。木材の圧縮試験は繊維方向と繊維と直角方向の2方向について行います。実験を通して、繊維方向の影響を理解します。
○第13回 コンクリートの圧縮試験・割裂試験
調合強度の異なる2種類のコンクリートのシリンダー供試体を用いて、破壊試験である圧縮試験と割裂試験を行ないます。本実験は実験機である1000kNアムスラーを各自で操作して行ないます。操作は簡単ですが、注意事項を守り慎重に行なうことが大切です。前回の実習で求めたシュミットハンマー試験による強度と比較検討します。また、圧縮強度と割裂強度との関係を考察します。
○第14回 コンクリートの曲げ試験
コンクリートの曲げ供試体を用いて、曲げ試験を行ないます。曲げ試験は、3等分点載荷で行ないますが、その曲げモーメント図とせん断力図を示し、試験区間が純曲げ状態であることを理解します。曲げ強度を実験的に求めることが主目的ですが、プレーンコンクリートの破壊性状も観察します。
○第15回 実験データの整理・考察
PC教室を利用して、実験データの整理を行ないます。各種実験で、様々な実験データが得られますが、そのデータを表計算ソフトを用いて整理する方法を説明します。作表作業に加えて、グラフの作成、荷重―変位曲線の描き方等を説明し、実習します。
○第16回 期末試験
簡単な計算が主体の試験になるので、試験時間は60分とします。教科書、ノート、配布物、参考書等は持込不可です。計算用具(電卓、ポケコン、ノートパソコン)は持込可とします。各種実験後に整理したレポートを理解しておくことが肝要です。
第1回
資料配布
第2回
資料配布
レポート1
予習60分 レポート60分
第3回
資料配布
レポート2
予習60分 レポート60分
第4回
資料配布
予習60分
第5回
資料配布
レポート3
予習60分 レポート60分
第6回
資料配布
レポート4
予習60分 レポート60分
第7回
資料配布
レポート5
予習60分 レポート60分
第8回
資料配布
レポート6
予習60分 レポート60分
第9回
資料配布
レポート7
予習60分 レポート60分
第10回
資料配布
レポート8
予習60分 レポート90分
第11回
資料配布
レポート9
予習60分 レポート90分
第12回
資料配布
レポート10
予習60分 レポート90分
第13回
資料配布
レポート11
予習60分 レポート90分
第14回
資料配布
レポート12
予習60分 レポート90分
第15回
資料配布
レポート13
予習60分 レポート90分
授業の運営方法
授業の後半に実験データの整理を行ない、レポートを提出します。
備考
学生が達成すべき到達目標
建築の主な構造材料である木材、鋼材、コンクリートの物理的・力学的特性を理解する。
材料力学で学んだ軸方向応力度、曲げ応力度、曲げ変形量等を実験を通して再確認する。
各種構造の力と変形の関係を実験を通して理解する。
各種構造の塑性域での挙動・破壊過程を観察し、理解する。
評価方法
評価の割合
評価の実施方法と注意点
試験
40
実験の内容・目的を理解しているかを確認します。
小テスト
レポート
30
成果発表
作品
その他
30
授業に欠席したり、遅刻・早退せずに、意欲的に取り組んだ場合、評価の対象とします。
合計
100
―