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シラバス情報
平成24年度
工学部建築学科
詳細
シラバス情報
注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「
UNIVERSAL PASSPORT
」で詳細をご確認下さい。
科目名
施工2(Construction Work 2)
担当教員名
園田 一則
配当学年
3
開講期
後期
必修・選択区分
全コース 必修
単位数
2
履修上の注意または履修条件
構造系科目(構造力学、構造設計、材料力学、材料工学ほか)を履修していることが望ましい。
受講心得
板書と視覚資料を使った授業になります。教科書は使用しませんので、しっかりと自分のノートを作成してください。
教科書
なし
参考文献及び指定図書
関連科目
構造系科目(構造力学、構造設計、材料力学、材料工学、建築材料実験など)
オフィスアワー
授業の目的
建築・土木構造物が、耐用年数の間は安全で必要な機能を保つための維持保全および補修・補強技術について学習します。構造物を新設する際に所要の耐久性を確保するための技術と、既に建設されている構造物の性能を維持するための技術を習得することを目的とします。
授業の概要
鉄筋コンクリート、鉄鋼材料、モルタル・タイル仕上げ、防水層、アスファルト舗装等の劣化のメカニズムを説明し、劣化を遅延するために新設段階で必要とされる技術と、劣化を回復するために必要とされる診断・補修・補強技術を説明します。
現在、20世紀型の「スクラップ・アンド・ビルド」による生産形態を廃し、構造物の長寿命化を図ることが建設業界における重要課題となっています。本講義内容は、今後建設業界において必要とされる知識ですので、本講義を通して必ず習得して下さい。
授業計画
学習内容
学習課題(予習・復習)
第1回 講義ガイダンス、環境問題と建設産業
はじめに、本講義の内容、成績評価方法、他講義との関連性、講義スケジュール等について説明します。
維持保全、補修・補強技術の習得が重要である理由を、環境問題と建設産業との関係性を通して示します。また、ライフサイクルを通した構造物の性能に関する考え方を、ライフサイクルアセスメントやライフサイクルコスト等に関する説明を加えながら考察します。
第2回 構造物の劣化、耐用年数と維持保全
3種類の構造物の劣化形態(物理的劣化、機能的劣化、社会的劣化)を説明した上で、構造物の劣化曲線図を示し、予防保全・事後保全の考え方や、修繕・改善の在り方を示します。また、これらの劣化によって決定される構造物の耐用年数についても説明します。
第3回 鋼材の劣化と維持保全
鋼材の腐食メカニズムを説明した上で、新設時に実施すべき対策(バリア型被膜と犠牲アノード型被膜)と、腐食により耐力低下が問題となる場合の補強方法を示します。また、疲労による鋼材の劣化とその補強方法についても説明します。
第4回 鉄筋コンクリートの劣化と維持保全(1)
主に鉄筋腐食が問題となる鉄筋コンクリートの劣化メカニズム(中性化および塩害)について説明した上で、これらの劣化を遅延するための新設段階における対策を示します。
第5回 鉄筋コンクリートの劣化と維持保全(2)
主にコンクリート自体の劣化が問題となる鉄筋コンクリートの劣化メカニズム(凍害、アルカリ骨材反応、化学的侵食)について説明した上で、これらの劣化を遅延するための新設段階における対策を示します。
第6回 鉄筋コンクリートの劣化と維持保全(3)
前2回の講義内容を踏まえ、劣化が生じた鉄筋コンクリートに適用する補修工法を説明します。鉄筋コンクリートの劣化過程(潜伏期、進展期、加速期、劣化期)に応じた補修工法の選定手法についても説明します。
第7回 鉄筋コンクリートの劣化と維持保全(4)
鉄筋コンクリート部材の補強工法について扱います。せん断破壊、曲げ破壊のメカニズムを示したうえで、鉄筋コンクリート部材のせん断耐力、曲げ耐力を向上させるための補強工法を示します。
第8回 中間試験
第1回から第7回までの講義内容に関する確認試験を実施します。また、その模範解答を示します。
第9回 モルタル・タイル仕上げの劣化と維持保全
モルタル・タイル仕上げの劣化として、剥離とひび割れを取り上げ、その原因と新設時に実施すべき対策、診断方法および補修工法について説明します。
第10回 石材の劣化と維持保全
石材の剥離、化学的変状、汚れ等の劣化要因について述べた上で、その補修方法について説明します。
第11回 防水層の劣化と維持保全
アスファルト防水層の熱劣化等のメカニズムについて説明し、さらに防水層の健全度の診断方法や、大規模補修にあたっての下地処理における留意事項を示します。
第12回 舗装の劣化と維持保全
アスファルト舗装を対象に、舗装に要求される性能、舗装の主な変状、修繕の要否判定方法、各種維持・修繕工法について説明します。
第13回 トンネルの劣化と維持保全
外力や材料・施工に起因するトンネルの変状について説明したうえで、その補修・補強方法を説明します。
第14回 解体工事と資源循環
循環型社会の形成に向けて建設産業が実施すべき対策について、2000年に制定された建設リサイクル法の内容を交えながら説明します。また、各種解体工法とその特徴についても説明します。
第15回 特別講義
外部講師をお招きし、建設施工における実務の内容について説明していただきます。
第16回 期末試験
第9回から第15回までの講義内容に関する確認試験を実施します。
第1回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第2回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第3回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第4回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第5回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第6回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第7回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第9回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第10回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第11回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第12回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第13回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
第14回
配布物:資料、講義ノート、課題
課題の時間:60分
授業の運営方法
備考
学生が達成すべき到達目標
1. 構造物・構造部材の劣化メカニズムを説明できる。
2. 1.を踏まえた上で、その劣化を遅延するために必要な知識を習得する。
3. 劣化が生じた構造物・構造部材に対する補修・補強工法を習得する。
評価方法
評価の割合
評価の実施方法と注意点
試験
60
持ち込み不可の試験と、持ち込み可の試験とを併用します。
前者に関しては、指定した箇所を必ず勉強して臨んで下さい。
後者に関して、自筆のノートと配布資料の持ち込みを許可しますが、ただ書き写すだけで解けるものと勘違いしないように。日頃から真摯に学習に取り組んでいれば、満点を取ることは可能です。
小テスト
レポート
27
成果発表
作品
その他
13
毎回の講義における出席状況を評価対象とします。大幅な遅刻や長時間の退室は減点対象としますので、注意して下さい。
合計
100
―