NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 飛行力学実習(Flight Mechanics practical Training)
担当教員名 河邉 博康
配当学年 3 開講期 前期
必修・選択区分 航空宇宙設計コース 選択
航空機整備コース 選択
航空宇宙システムコース 選択
単位数 1
履修上の注意または履修条件 飛行力学1、飛行力学2を履修しておくこと。
受講心得 操縦方法やレポート内容などのメモを取る筆記用具を持参すること。
操縦方法や飛行機の動きを、常に飛行力学の理論と照らし合わせながら操縦すること。
操縦内容によって、班分けや日程が変わるので日程表の掲示を常に注意して見ること。
日程の変更をしたいときは早めに申し出ること。
教科書 なし
参考文献及び指定図書 牧野光雄著 「航空力学の基礎(第2版)」(産業図書)
日本航空技術協会編 「新航空工学講座(1) 航空力学」
関連科目 飛行力学1、飛行力学2
オフィスアワー
授業の目的  航空機の運動の性質や操縦性の良否などの判断は人間工学的な要素に強く影響されるため、講義のみでは学生の十分な理解を得ることが困難です。そこで学生がフライト・シミュレータを自ら操縦することにより、視覚と体感とで航空機の安定性と操縦性の意味を把握し、飛行力学の理解を深めることができるようにするのが本実習の目的です。
授業の概要 フライトシミュレータを操縦する際に、操縦操作の一つ一つを飛行力学と照らし合わせてその内容をレポートにしながら、授業を進めます。また、飛行に必要な航空計器の読み方も理解してもらいます。離陸、上昇、水平飛行、旋回、着陸の操作ができるようになったら、教員の助言なしに一人で空港を離陸して空港の周りを一周し着陸してもらいます。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 実習内容の説明
最初は、本実習の目的およびフライト・シミュレータを使った具体的な実習内容について概要を説明し、フライト・シミュレータ搭乗のための班分けおよび搭乗日程を決めるための話し合いを行います。

○第2回 フライト・シミュレータ装置の説明および自動着陸体験
フライト・シミュレータ装置の仕組みについて説明したあと、実際にフライト・シミュレータに搭乗します。今回は、フライト・シミュレータに慣れるため、何も操縦せずに搭乗するだけの自動着陸を体験し、飛行中のモーションの動き、計器表示部の動きなどを観察します。

○第3回 滑走および離陸上昇(1)
飛行機が滑走および離陸するときに必要なランディング・ギヤ、フラップ、スロットル、ペダルなどの操作手順や速度や姿勢、高度、方位などの計器表示の見方などについて説明します。説明後、フライト・シミュレータに搭乗し滑走から離陸までを繰り返し行います。

○第4回 滑走および離陸上昇(2)
前回と同様に、滑走から離陸までの操作をフライト・シミュレータで練習します。滑走から離陸上昇までに行う操作手順について、フラップの角度設定、離陸速度の決定、ペダルによる方向調整、上昇中の昇降舵の働きなど各項目において、なぜそのような操作を必要とするのか、それぞれの働きについて考察し、レポートにして提出します。

○第5回 水平飛行(1)
飛行計器の姿勢、高度、速度などの情報から、一定の速度、高度で水平定常飛行を行えるようになるまで繰り返し練習します。

○第6回 水平飛行(2)
前回と同様に飛行計器の姿勢、高度、速度などの情報から、一定の速度、高度で水平定常飛行を行えるようになるまで繰り返し練習します。今度は、トリム装置を使い水平定常飛行が行えるようになるまで繰り返し練習します。トリム装置の働きおよびその種類についてレポートを提出します。

○第7回 旋回(1)
旋回を行うには操縦桿、ペダル、スロットルレバーなどの複雑な操作が必要となります。それぞれの装置を動かしたときの飛行機の運動を理解しておかなければなりません。一定のバンク角、速度、高度で定常水平旋回できるようになるまで、繰り返し練習します。水平飛行と旋回飛行で、飛行機の安定増大装置をONとOFFにしたときに、操縦感覚がどのように変化するか考察結果をレポートにして提出します。

○第8回 旋回(2)
前回と同様に一定のバンク角、速度、高度で旋回できるようになるまで、繰り返し練習します。旋回のときに動く舵のそれぞれの働きとそれらがどのように調和して水平定常旋回できるのか飛行力学に基づいた考察をし、レポートを提出します。

○第9回 着陸(1)
飛行機が着陸進入および滑走停止するときに必要な、ランディング・ギヤ、フラップ、スロットル、ペダル、逆噴射などの操作手順や計器着陸装置の見方などについて説明します。説明後、フライト・シミュレータに搭乗し着陸進入から滑走停止までを繰り返し行います。

○第10回 着陸(2)
前回と同様に着陸進入から滑走停止までを繰り返し行います。着陸進入から滑走停止までに行う操作手順について、フラップの角度設定、着陸速度の決定、ペダルによる方向調整、スロットル操作など各項目において、着陸時になぜそのような操作を必要とするのか考察し、計器着陸装置の原理についてもレポートにして提出します。

○第11回 旋回および着陸(1)
これまでは、滑走路の正面で着陸に必要なスロットルの調整、フラップ、ランディング・ギアなどの操作を完了した状態から着陸を開始しました。今回は、旋回をした後、滑走路の正面に出て着陸に必要な操作を行って、着陸進入および滑走停止までを繰り返し行います。旋回後は、必ずしも滑走路の正面に出ない場合が多く、コースの修正をしつつ着陸に必要な操作も行うため、操縦がかなり難しいものとなります。

○第12回 旋回および着陸(2)
前回と同様に、旋回をした後、滑走路の正面に出て着陸に必要な操作を行って、着陸進入および滑走停止までを繰り返し行います。

○第13回 飛行場一周飛行(1)
今までのまとめとして、離陸して飛行場のまわりを一周し着陸するまでを、教員からの助言無しに繰り返し1人で行います。

○第14回 飛行場一周飛行(2)
前回と同様に、離陸して飛行場のまわりを一周し着陸するまでを、教員からの助言無しで繰り返し1人で行います。これまでの操縦や飛行力学的な知識について再確認します。

○第15回 実技試験(1)
離陸して飛行場のまわりを一周し着陸するまでを、教員からの助言無しでできるかどうか、実技試験を行います。1人2回実技試験を行い、得点が高い方を採用します。また、実技の内容を見ながら必要に応じて飛行力学的な内容について口頭試問します。

○第16回 実技試験(2)
離陸して飛行場のまわりを一周し着陸するまでを、教員からの助言無しでできるかどうか、実技試験を行います。1人2回実技試験を行い、得点が高い方を採用します。また、実技の内容を見ながら必要に応じて飛行力学的な内容について口頭試問します。

各回での操縦方法をメモして、次回の操縦をするときに、スムーズに操縦できるようによく復習しておくこと。

各回で口頭でレポートを出題しますので、よく考えておくこと。ある程度授業回数が進んでから、文書でまとめてレポートを出題します。
授業の運営方法 実技中心で行い、その都度レポートの課題を出します。「講義科目」です。
備考
学生が達成すべき到達目標 離陸、上昇、水平飛行、トリム操作、旋回、着陸の操作について、飛行力学との関係を理解したうえでその操作ができるようになること。
飛行計器、航法計器、エンジン計器を正確に読み取り、その情報を操縦に反映することができるようになること。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 75 実技試験では、操作手順を間違えずに空港を離陸して空港の周りを一周して安全に着陸できるかどうかを試験します。うまくできれば、飛行力学と航空計器をよく理解して操縦できているものと判断します。
小テスト
レポート 20
成果発表
作品
その他 5
合計 100