NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 航空工学実験2(Experiments in Aeronautical Engineering2)
担当教員名 本多 恒雄、河邉 博康、林田 和隆、池田 多門、永井 弘人
配当学年 3 開講期 後期
必修・選択区分 選択 単位数 1
履修上の注意または履修条件 実験は1回目と2回目がそれぞれ独立しているものではなく、1回目から2回目と一連の積み重ねで実施し、学習するものです。そのため各実験単位で欠席があった場合は、その対象実験について実験の継続を認めません。欠席がないよう注意することが必要です。 また報告書提出が義務化されている実験については、提出を怠ると欠席と同等の評価になることがありますので注意して下さい。

欠席及び公欠による「再実験」は実験装置等の準備、運用、指導教員の時間的制約等から行いません。指導教員と来期再履修について相談ください。
受講心得 原則として実験服、帽子、運動靴等を着用すること。 実験は開始時間が特に重要であるため遅刻のないよう注意すること。 データ整理のため電卓、モノサシ(スケール)、筆記具等を準備すること。
教科書 なし
参考文献及び指定図書 各実験毎に担当教員に確認してください。
関連科目 工学実験基礎(1年後期、必修)、航空工学実験1(2年前期、必修)
オフィスアワー
授業の目的 「工学実験基礎」(1年後期、必修)および「航空工学実験1」(2年前期、必修)で培った実験の基礎的素養をベースに、ここでは、航空宇宙工学の専門的実験や実習を体験します。このため履修者は事象の本質を理解するための専門能力及び実験への積極的な取り組み、考える力、チームとの協調性など高度な人間力の習得を目的とします。
授業の概要 7種類の実験を行います。各実験の概要、実施要領、報告書は各実験単位で確認して下さい。指導教員の日程および履修者数等を勘案し、年度ごとに実験計画を組み、初回にスケジュール、個々の実験内容及び班分け等の合同説明会を行います。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回目:導入講義
 実験全般に渡って実験内容の説明と受講への心得を解説し、その上で、受講者に対し班わけを含む実験スケジュールを提示します。

第2~15回目:実験
 以下の7種類の実験(1種類は予備)を受講者数に応じて作成したスケジュールに基づき実施します。

1.エンジン性能試験
(1)概要
 実験要領を理解したのち、受講者自身で役割分担を決め、自動車用ガソリンエンジンを運転して性能に関する諸量を計測します。その後取得した諸量からエンジン性能に関するデータ整理を行います。

(2)実施要領
 1回目:実験要領を説明した後、役割分担を決めて自動車用ガソリンエンジンを試運転し、実験装置の操作要領を習得します。
2回目:試験手順に従って自動車用ガソリンエンジンを運転して性能に関する諸量を計測する。計測後データ整理方法を説明した後、エンジン性能についてデータ整理を行います。

(3)報告書
 エンジン性能についてデータ整理を行い、報告書を作成し提出します。
 (関連科目:航空ピストンエンジン)
2.航空機重量重心測定法
(1)概要
 航空機にとって重心位置は非常に大事なものです。この重心位置を格納庫にある航空機を使用して実際に重量測定し重心位置を計算します。

(2)実施要領
 1回目:航空機の重心位置の求め方、および、航空機の重量測定方法について理解するための講義を実施します。
 2回目:格納庫にある実機G-50ボナンザをJACK UP して実機の重量を測定します。仮想の乗客大人の数、燃料の量を与え、重心位置を計算します。

(3)報告書
 実際測定した航空機重量に仮想の燃料、搭乗旅客、椅子等を搭載したとき、重心位置がどのように 変化するか計算した結果をレポートにまとめ提出してもらいます。
 (関連科目:航空機整備)
 (注意点:実際に実機をJACK UP するので安全上注意すること。)
 (教科書:「基礎航空工学」鳳文書林出版販売)
3.マイコン組込みプログラミング実験
(1)概要
 機械制御の入門として、市販のマイコンセットを使用して組み込みプログラミングの基礎を学びます。

(2)実施要領
 汎用的なC言語の基礎を学んだ後、簡単なプログラミングを行い、発光ダイオードを光らせる、ブザーを鳴らす、あるいはモータを回すなどを行ないます。また、市販の倒立振り子セットを使用して制御の実際を経験します。

(3)報告書
 実験を行なう中で、どのようなことに興味を持ち、今後学びたいことなどについてのレポートを作成します。
4.フライト・シミュレーション実験
(1)概要
 航空機の運動には、短周期運動、長周期運動、ダッチロール運動などの特徴的な運動があります。フライト・シミュレータを用いて、航空機のパラメータを変えながらこれらの運動を発生させて実際に操縦し、飛行データを取得します。

(2)実施要領
 飛行制御装置をオンにして同様の運動について操縦し、操縦感覚の違いを体感し、飛行データを取得します。

(3)報告書
 それぞれの飛行データのグラフの中で特徴的な動きをするパラメータに注目し、具体的な数値と操縦感覚を照らし合わせながら考察をしてください。レポートには、考察の他に飛行データのグラフと実験の感想もつけて提出してください。
5.流体力計測実験
(1)概要
 トンボの前後2枚羽ばたき翼を模擬したスケールモデルを、流れの相似則を利用して水中で動かすことで、トンボの翼に働く流体力を予測することができます。この実験では、ひずみゲージを使った流体力の計測方法、およびExcelを使ってのデータ処理方法を学びます。

(2)実施要領
 1回目: マイクロ流体技術研究所の回流式水槽を使って、トンボのスケールモデルを水中で羽ばたかせ、翼に働く流体力の計測を行います。
 2回目: 計測データをExcelを使って処理し、羽ばたき翼の揚力係数、推力係数、パワー係数の時間変動と平均値を求めます。

(3)報告書
 授業で学んだ実験手順、データ処理手順をまとめ、データ処理結果とその考察をレポートにまとめて提出します。

 
6.紙飛行機実験
(1)概要
 紙飛行機の設計、製作、滑空実験を実施します。

(2)実施要領
 1回目・・・製作説明及び設計製作。
 2回目・・・設計製作及び滑空実験。

(3)設計製作及び実験条件
 1.機体形状は独自性を重視すること。過去に学んだ知識を基に創造性を発揮して設計すること。
 2.紙の材質はペーパーグライダー用高性能特殊紙(特に曲げ強度、平滑性、復元力に優れている)を使用すること。
 3.翼長は200㎜以下とすること。
 4.滑空実験は手投げとし、滑空距離を競うこととします。

(4)報告書及び提出条件
 1.滑空実験し飛行性能が一番優れていた機体を提出すること。
 2.設計図面(寸法、重量、重心位置、翼面積、空力平均翼絃長、主翼取付け角度、飛行距離)を記入して提出すること。
 3.設計コンセプト及び苦心した点を述べること。
 4.今回の滑空距離以上の滑空性能を出すには、どこをどの様に改善すれば良いか述べること。
7.計測技術法
(1)概要
 ノギス、マイクロメータ、シリンダーゲージ、ダイアルゲージ、シックスネスゲージ等の原理、測定法、使用上の注意等を学習し、実際に航空ピストンエンジンを使って、シリンダ、ピストン、ピストンピンの計測を行います。

(2)実施要領
 1回目:使用する測定器の原理、測定法、使用上の注意等を学習し、小グループに分かれて計測データシートに従って航空ピストンエンジンの計測を行います。
 2回目:初回に引き続き、航空ピストンエンジンの計測を行い、計測値をデータシートに記録します。グループ毎に測定結果をもとに被測定物の状態を考察します。

(3)報告書
 被測定物の考察結果及び計測技術法の学習を通しての感想を、レポート用紙に纏め提出します。
8.構造修理法(予備)
(1)概要
 航空機の構造一般について解説し、アルミ合金の外板修理法についてその基本を学習します。

(2)実施要領
 1回目:航空機の構造一般について解説し、外板に亀裂があったと想定して、ダブラー修理案を作成します。航空機に実際に使用されるアルミ合金を使って修理案に基づく母材およびダブラーを製作します。
 2回目:母材およびダブラーの孔明け及びリベット打ちを行います。リベット打ち作業はパートナーと組んで3種類(手打ち、機械打ち、リベットガン打ち)の方法で実施します。

(3)報告書
 出来上がったダブラー修理材をもとに、この実習で会得したことや感想を、レポート用紙に纏め提出します。
各実験は2回に分けて実施されます。
実験中に感じた事や思ったことは必ずメモし、データの整理は次の実験が始まる前までに纏めること。
授業の運営方法 学期はじめに班わけを含む実験スケジュールを学生全員に通知し、内容説明と事前準備を終えたのち実施します。
備考
学生が達成すべき到達目標 実験への積極的な取り組みと最後までやり遂げることを到達目標とします。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験
小テスト
レポート 25
成果発表
作品 25 実験の成果として作品の出来栄えを評価の対象とします。期限を過ぎての提出は減点となります。
その他 50 実験での取り組み姿勢および態度を評価の対象とします。実験に欠席したり、遅刻・早退した場合は減点となります。
合計 100